数学の応用問題が解けないとき|「何を使うか」を選ぶところで止まっていないか

基本問題なら解ける。公式も覚えている。

数学の応用問題で止まるときは、公式を増やす前に「何を使う問題なのか」を選べるかを見ます。条件から使えそうな知識を候補に出し、最初の一手を決める練習にすると、基本問題との違いが見えやすくなります。

ところが初見問題になると、最初の一手が出ない。

ここで「応用問題をもっと解こう」と問題数だけ増やすと、同じ止まり方を繰り返すことがあります。

応用問題では、計算を始める前に別の仕事があるからです。

今持っている知識の中から、何を使うか選ぶ。

応用問題で止まる場所を分ける

止まる場所 よく起きること 次に見ること
条件を拾う 何が分かっているか整理できない 分かっていること/求めることを分ける
候補を出す 使えそうな公式・考え方が出ない 関連する知識を思い出せるか確認する
一つを選ぶ 候補は出るが、どれを使うか決められない 「なぜこれを使うか」を一行で言う
最後まで実行する 方法は合っているが途中で崩れる 計算・手順・基礎知識側へ戻る

応用問題が苦手という一言でまとめず、止まった行だけを見ます。

基本問題では、使う道具が見えている

「二次方程式の練習」「相似の問題」のように、単元ごとに並んだ問題では、使う方法がかなり絞られています。

初見問題やテストでは、そのラベルが外れます。

自分で、

  • 何が分かっているか
  • 何を求めるか
  • 関係しそうな知識は何か
  • その中から、なぜこれを使うのか

を決めなければなりません。

ここで大事なのは、その一連のどこで止まるのかを見つけることです。

一問を、計算する前に止める

応用問題を一問だけ選びます。解答はまだ見ません。

計算を始める前に、紙へ四つ書きます。

分かっていること
求めるもの
使えそうな知識の候補
その候補を選んだ理由

ここで止まった場所を見ます。

「分かっていること」が拾えない

問題文や図から条件を取り出すところが詰まっています。応用力という大きな言葉より、読み取り・構造理解を先に見ます。

候補が一つも出ない

知識そのものが足りないか、持っている知識を取り出せていません。

候補は出るのに選べない

ここが、応用問題らしい停止です。

「この形ならこの公式」と覚えていた手がかりが外れたとき、自分で選択基準を作れていません。

方法は選べるのに途中で崩れる

計算や手順の技能側です。応用問題の入口とは別に扱えます。

次の一手は「選んだ理由」を一行残す

次に応用問題を解くとき、解法の横へ一行だけ追加します。

何を見て、この方法を使おうと思った?

「平行条件があるから相似を候補にした」のように、自分が問題を見た時点の理由を書きます。

模範解答を読んだあとで理由を写すのとは違います。

この一行が書けないなら、さらに問題数を増やす前に、解法選択の手がかりを作る必要があります。

同じ型を続ける練習との使い分け

同じ種類の問題を繰り返すことにも役割があります。基本手順を安定させる段階では有効です。

一方、方法を選ぶ練習をしたい段階では、問題の種類が分かりきっている並びだけでは足りません。

学習研究でも、異なる例を使って知識を取り出したり、問題を交ぜて練習したりすることで、後の転用が助けられる場合があります。ただし「最初から何でも混ぜればよい」という意味ではありません。

少し変えられただけで止まるなら

条件は拾える。知識の候補も出る。

それでも、同じ型から少し離れただけで何もできなくなるなら、「少し形が変わると解けない」ページで扱う「再構成」の問題に近づきます。

今日やること

応用問題を一問だけ選びます。

計算の前に、

何を見て、この方法を使うと決めた?

と書く。

答えられなかった地点が、次に練習する場所です。

参考研究

  • Butler AC, Black-Maier AC, Raley ND, Marsh EJ. Retrieving and applying knowledge to different examples promotes transfer of learning. Journal of Experimental Psychology: Applied, 2018.
  • Sana F, Yan VX. Interleaving Retrieval Practice Promotes Science Learning. Psychological Science, 2022.

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