解説は分かるのに自力で解けない|少し形が変わると止まるときに見ること

解説を読めば分かる。

解説を読むと分かるのに自分で解けないときは、「理解」と「再現」を分けて考えます。解説を閉じたあとに最初の一手が出るか、なぜその式を使うか説明できるかを確認し、足りない部分だけ練習します。

同じ型の問題なら、その直後は自分でも解ける。

でも、数字や聞き方が少し変わると手が止まる。

この状態を「分かったつもり」の一言で片づけると、次に何を直すかが見えにくくなります。

見たいのは、元の手順を再生しているのか、条件に合わせて考え方を組み立て直せるのかです。

「分かった」がどこまで使えるか|4段階チェック

□ 1. 解説を閉じても、「なぜこの方法なのか」を説明できる
□ 2. 数字だけ変えても解ける
□ 3. 求めるものや条件を一つ変えても、使う考え方を説明できる
□ 4. 初めて見る類題でも、元の問題との共通点から考え始められる

1で止まるなら理解側、2で止まるなら手順への依存、3〜4で止まるなら「条件と知識を結びつける」側を見ます。

解ける問題を一問だけ変える

新しい問題集はいりません。

すでに解ける問題を一問選び、一か所だけ変えます。

数字、求めるもの、条件、図の向き。どれか一つで構いません。

そして解く前に、三つ答えます。

元の問題と同じところは?
変わったところは?
それでも使えそうな考え方は?

ここで止まるなら、元の解法のどこを手がかりにしていたのかが見えてきます。

手順だけ残っていると、変化に弱い

「この数字をここへ入れる」「次にこの式を使う」という順番を覚えていれば、元の問題は解けます。

ところが条件が変わったとき、

「なぜこの式だったのか」
「どの条件がこの考え方を使わせていたのか」

が残っていないと、元の手順をそのまま当てはめようとします。

そこで止まります。

これは「何も理解していない」という判定ではありません。

理解した内容のうち、どこまでが別の形でも使える状態になっているかを確認しているだけです。

どこへ戻るかも分ける

元の問題を見ながらでも「なぜこの方法なのか」が説明できないなら、理解側へ戻ります。

理由は説明できるのに、教材を閉じると手順そのものが出ないなら、記憶・想起側を見ます。

知識も出る。条件も読める。でも複数候補から方法を選べない。

その場合は、数学の応用・初見問題に近いです。

同じ「解けない」でも戻り先が変わります。

次の一手は、類題を増やすことではない

今日は、解ける問題を一問だけ少し変えます。

うまくいかなかったら、答えを見る前に、

どこまでは元の問題と同じだと思った?
どこから違うと思った?

を書きます。

失敗そのものが、次に直す場所を教えてくれます。

学習研究でも、同じ例だけを繰り返すより、異なる例で知識を取り出して使う経験が転用を助ける場合があります。教科や課題によって条件は違うので、ここでは「少し変えて、自分が何を手がかりにしていたかを見る」という使い方に留めます。

今日やること

解ける問題を一問選ぶ。

一か所だけ変える。

そして、

同じところは何?
違うところは何?
それでも使える考え方は何?

と答えてから解きます。

「分かった」を、形が変わっても使えるところまで運べるかを見る小さなテストです。

参考研究

  • Butler AC, Black-Maier AC, Raley ND, Marsh EJ. Retrieving and applying knowledge to different examples promotes transfer of learning. Journal of Experimental Psychology: Applied, 2018.
  • Sana F, Yan VX. Interleaving Retrieval Practice Promotes Science Learning. Psychological Science, 2022.

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