第17回|「いす」って、どこまでがいす?

当たり前の言葉を、自分で説明してみる3分実験

「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。

「いす」と聞けば、何かはすぐ分かります。

でも、

いすって何?

と聞かれたら、どう説明するでしょうか。

まずやってみる

1.いすの仲間を5つ

「いす」と呼べそうなものを5つ思い浮かべてください。

2.共通しているところを探す

今出した5つに、

だいたい共通しているところ

を2つか3つ書いてください。

たとえば、

人が座るために使う

のようなものです。

3.「いすとは○○」を作る

今の共通点を使って、

いすとは、________である。

という一文を作ってください。

4.その定義で、これはどうなる?

次のものを考えてみてください。

ベンチ
ソファ
座布団
切り株
座れる大きな石

自分で作った「いす」の説明に入るでしょうか。

入りすぎる、または入らないものがあれば、
説明を少し直してください。

ここから種明かし

普段は、

いすを見れば、いすだと分かる

ので、わざわざ説明しません。

でも「いすとは何?」と聞かれると、

座れるだけでいい?
人が作ったもの?
一人用?
背もたれは必要?

など、今まで気にしていなかったところが見えてきます。

言葉の意味を説明するには、

何を含むか
何を含まないか

の両方を見る必要があります。

ここまでの答えを見比べてみよう

<見るところ> <たとえば>
最初 見れば「いす」だと分かる
共通点を探したあと 座るために使う、など
一文にしたあと 自分なりの「いす」の説明ができた
ベンチや石を見たあと 説明が広すぎたり狭すぎたりした
最後 どこまでを「いす」と呼ぶか考えた

記憶学で見ると?

意味のまとまりを持つと、名前だけを覚えるより使いやすくなる
「いす」という音だけでなく、「何に使うものか」「どんなものが入るか」と一緒に持つと、言葉を別の場面でも使いやすくなります。名前と意味がつながっている状態です。

他には……

  • 具体例は、意味を思い出す手掛かりになる: ベンチやソファなどの例を思い浮かべることで、「いす」という言葉がどこまでを指すか考えられます。
  • 似ているけれど違う例も、意味をはっきりさせる材料になる: 座布団や石のような境目の例を見ると、自分が何を大事な特徴として覚えているか見えやすくなります。


脳のOSで見ると?

定義理解(理解OS 第1章)
「いす」という言葉を知っているだけでなく、「何を含み、何を含まない言葉なのか」を自分で説明してみます。定義は難しい言葉を並べることではなく、言葉の輪郭を引く作業です。

他には……

  • 境界理解(理解OS 第11章): ベンチや座布団など、境目にあるものをどこへ入れるか考える。
  • 比較理解(理解OS 第7章): いすらしいものと、いすではなさそうなものを比べる。
  • 本質抽出(理解OS 第6章): いろいろないすに共通して残る特徴を探す。
  • 誤解修正(理解OS 第24章): 作った定義が広すぎたり狭すぎたりしたら直す。

もう一度だけ

次は、

「かばんとは何?」

を一文で説明してから、

リュック
ポーチ
財布
紙袋

が入るか考えてみてください。

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