
当たり前の言葉を、自分で説明してみる3分実験
「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。
「いす」と聞けば、何かはすぐ分かります。
でも、
いすって何?
と聞かれたら、どう説明するでしょうか。
まずやってみる
1.いすの仲間を5つ
「いす」と呼べそうなものを5つ思い浮かべてください。
2.共通しているところを探す
今出した5つに、
だいたい共通しているところ
を2つか3つ書いてください。
たとえば、
人が座るために使う
のようなものです。
3.「いすとは○○」を作る
今の共通点を使って、
いすとは、________である。
という一文を作ってください。
4.その定義で、これはどうなる?
次のものを考えてみてください。
ベンチ
ソファ
座布団
切り株
座れる大きな石
自分で作った「いす」の説明に入るでしょうか。
入りすぎる、または入らないものがあれば、
説明を少し直してください。
ここから種明かし
普段は、
いすを見れば、いすだと分かる
ので、わざわざ説明しません。
でも「いすとは何?」と聞かれると、
座れるだけでいい?
人が作ったもの?
一人用?
背もたれは必要?
など、今まで気にしていなかったところが見えてきます。
言葉の意味を説明するには、
何を含むか
何を含まないか
の両方を見る必要があります。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 最初 | 見れば「いす」だと分かる |
| 共通点を探したあと | 座るために使う、など |
| 一文にしたあと | 自分なりの「いす」の説明ができた |
| ベンチや石を見たあと | 説明が広すぎたり狭すぎたりした |
| 最後 | どこまでを「いす」と呼ぶか考えた |
記憶学で見ると?
意味のまとまりを持つと、名前だけを覚えるより使いやすくなる
「いす」という音だけでなく、「何に使うものか」「どんなものが入るか」と一緒に持つと、言葉を別の場面でも使いやすくなります。名前と意味がつながっている状態です。
他には……
- 具体例は、意味を思い出す手掛かりになる: ベンチやソファなどの例を思い浮かべることで、「いす」という言葉がどこまでを指すか考えられます。
- 似ているけれど違う例も、意味をはっきりさせる材料になる: 座布団や石のような境目の例を見ると、自分が何を大事な特徴として覚えているか見えやすくなります。
脳のOSで見ると?
定義理解(理解OS 第1章)
「いす」という言葉を知っているだけでなく、「何を含み、何を含まない言葉なのか」を自分で説明してみます。定義は難しい言葉を並べることではなく、言葉の輪郭を引く作業です。
他には……
- 境界理解(理解OS 第11章): ベンチや座布団など、境目にあるものをどこへ入れるか考える。
- 比較理解(理解OS 第7章): いすらしいものと、いすではなさそうなものを比べる。
- 本質抽出(理解OS 第6章): いろいろないすに共通して残る特徴を探す。
- 誤解修正(理解OS 第24章): 作った定義が広すぎたり狭すぎたりしたら直す。
もう一度だけ
次は、
「かばんとは何?」
を一文で説明してから、
リュック
ポーチ
財布
紙袋
が入るか考えてみてください。

