第13回|同じことを、小学生にも伝えられる?

意味を変えずに、言い方だけ変える3分実験

「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。

次の文を読んでください。

明日の提出物は、忘れないように事前に準備してください。

意味は分かります。

では、これをもっと簡単にしてみます。

まずやってみる

1.小学1年生に言うなら?

同じ意味を、小学1年生にも分かりそうな言葉にしてください。

2.友達に言うなら?

今度は、同じ内容を友達に伝えるつもりで言い直してください。

3.一言だけにするなら?

できるだけ短くしてください。

ただし、

明日
持っていくもの
忘れない

という大事な部分は残してください。

4.どこまで変えても「同じ意味」?

たとえば、

明日の準備をしておこう。

まで短くすると、
最初の文と同じ意味と言えるでしょうか。

何か落ちたものがないか考えてください。

ここから種明かし

今回は、答えの内容を変えるのではなく、

誰に伝えるか
どのくらい短くするか

によって、言い方を変えました。

でも、変えすぎると、
最初にあった意味まで落ちてしまいます。

言い換えるときには、

変えてよいもの
残さなければいけないもの

の両方があります。

ここまでの答えを見比べてみよう

<見るところ> <たとえば>
最初の文 明日の提出物は事前に準備する
小学生向け 明日持っていくものを、今日のうちに用意しよう
友達向け 明日のやつ、今日準備しとこう
一言にしたあと 明日の準備を忘れずに
最後に見たこと 短くしても残す意味がある

記憶学で見ると?

自分の言葉に直せるかどうかは、内容をどこまでつかんでいるかを見る一つの方法になる
文をそのまま覚えるだけなら、言葉が変わると止まることがあります。意味を保ったまま別の言葉にできれば、表面の文だけでなく内容を使っていることが分かります。

他には……

  • 短くするには、何を残すか選ぶ必要がある: 全部の言葉を持つのではなく、あとから意味を戻せる部分を残します。
  • 自分で言い直すと、同じ内容に別の入口を作れる: 元の文と自分の表現の両方から内容へたどれるようになります。


脳のOSで見ると?

言い換え(理解OS 第5章)
言葉そのものを保存するのではなく、意味を残したまま別の表現へ変えます。簡単にしたり短くしたりしても、元の意味が消えていないかを確かめるのがポイントです。

他には……

  • 本質抽出(理解OS 第6章): 文章の中で、絶対に残す部分を探す。
  • 言い換え(理解OS 第5章:簡単にする): 複雑な言い方を、必要な意味を残して簡単にする。
  • 境界理解(理解OS 第11章): どこまで変えると「同じ意味」ではなくなるかを見る。
  • 誤解修正(理解OS 第24章): 短くしすぎて意味がずれたら、必要な情報を戻す。

もう一度だけ

次の文を、

「雨天の場合、運動会は翌日に延期されます。」

小学1年生向け・友達向け・一言、
の3通りに変えてみてください。

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