
意味を変えずに、言い方だけ変える3分実験
「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。
次の文を読んでください。
明日の提出物は、忘れないように事前に準備してください。
意味は分かります。
では、これをもっと簡単にしてみます。
まずやってみる
1.小学1年生に言うなら?
同じ意味を、小学1年生にも分かりそうな言葉にしてください。
2.友達に言うなら?
今度は、同じ内容を友達に伝えるつもりで言い直してください。
3.一言だけにするなら?
できるだけ短くしてください。
ただし、
明日
持っていくもの
忘れない
という大事な部分は残してください。
4.どこまで変えても「同じ意味」?
たとえば、
明日の準備をしておこう。
まで短くすると、
最初の文と同じ意味と言えるでしょうか。
何か落ちたものがないか考えてください。
ここから種明かし
今回は、答えの内容を変えるのではなく、
誰に伝えるか
どのくらい短くするか
によって、言い方を変えました。
でも、変えすぎると、
最初にあった意味まで落ちてしまいます。
言い換えるときには、
変えてよいもの
残さなければいけないもの
の両方があります。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 最初の文 | 明日の提出物は事前に準備する |
| 小学生向け | 明日持っていくものを、今日のうちに用意しよう |
| 友達向け | 明日のやつ、今日準備しとこう |
| 一言にしたあと | 明日の準備を忘れずに |
| 最後に見たこと | 短くしても残す意味がある |
記憶学で見ると?
自分の言葉に直せるかどうかは、内容をどこまでつかんでいるかを見る一つの方法になる
文をそのまま覚えるだけなら、言葉が変わると止まることがあります。意味を保ったまま別の言葉にできれば、表面の文だけでなく内容を使っていることが分かります。
他には……
- 短くするには、何を残すか選ぶ必要がある: 全部の言葉を持つのではなく、あとから意味を戻せる部分を残します。
- 自分で言い直すと、同じ内容に別の入口を作れる: 元の文と自分の表現の両方から内容へたどれるようになります。
脳のOSで見ると?
言い換え(理解OS 第5章)
言葉そのものを保存するのではなく、意味を残したまま別の表現へ変えます。簡単にしたり短くしたりしても、元の意味が消えていないかを確かめるのがポイントです。
他には……
- 本質抽出(理解OS 第6章): 文章の中で、絶対に残す部分を探す。
- 言い換え(理解OS 第5章:簡単にする): 複雑な言い方を、必要な意味を残して簡単にする。
- 境界理解(理解OS 第11章): どこまで変えると「同じ意味」ではなくなるかを見る。
- 誤解修正(理解OS 第24章): 短くしすぎて意味がずれたら、必要な情報を戻す。
もう一度だけ
次の文を、
「雨天の場合、運動会は翌日に延期されます。」
小学1年生向け・友達向け・一言、
の3通りに変えてみてください。

