
文章を「配置」に変えてみる3分実験
「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。
次の文を読んでください。
アキラの右にミホがいる。
ミホの前にケンがいる。
アキラの前にユイがいる。
頭の中だけで持たず、
見える形にしてみます。
まずやってみる
1.4人の名前を紙に置く
文章を読みながら、
アキラ
ミホ
ケン
ユイ
を、位置関係が分かるように紙へ置いてください。
丸で囲んでも、線を引いても構いません。
2.文章を見ずに答える
紙に作った図だけを見てください。
ケンはユイのどちら側にいる?
と聞かれたら、答えられるでしょうか。
3.図を使わず、もう一度文章に戻す
今度は、自分が作った配置を、
一文か二文で説明してください。
4.どちらが分かりやすかった?
文章
配置した図
のどちらが位置関係を見やすかったでしょうか。
ここから種明かし
最初は、
Aの右にB
Bの前にC
という文章でした。
それを紙の上に置くと、
誰がどこにいるか
を一度に見られるようになります。
逆に、図から文章へ戻すこともできます。
同じ情報でも、
文
配置
文
と形を変えると、
見つけやすい関係が変わります。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 最初 | 3本の文章 |
| 配置したあと | 4人の位置が同時に見えた |
| 図だけで考えたあと | 書かれていない関係も読めた |
| 文章へ戻したあと | 配置を言葉で説明した |
| 変わったところ | 同じ情報を別の形で見た |
記憶学で見ると?
情報の形を変えると、別の手掛かりを持てる
文章だけで持つのではなく、位置関係として置くと、「誰がどこにいたか」を場所からもたどれます。言葉とは違う形を加えることで、情報への入口を増やせます。
他には……
- 自分で図にするには、文章を一度読み解く必要がある: ただ写すのではなく、「右」「前」が誰との関係なのかを確認します。
- 図から文章へ戻すと、取り出し方も変わる: 見えている配置を、もう一度言葉として外へ出します。
脳のOSで見ると?
図式化(理解OS 第20章)
文章の中にある関係を、位置や線として見える形へ変えます。図にする目的はきれいに描くことではなく、文章では見えにくかった関係を扱いやすくすることです。
他には……
- 構造分解(理解OS 第12章): 文章を「人」と「位置関係」に分けて読む。
- 部分→全体(理解OS 第14章): 三つの関係を合わせて、4人全体の配置を見る。
- 形を持ち運ぶ(思考OS 第7章): 文章の情報を、別の配置へ組み直す。
- 言い換え(理解OS 第5章): 図で見えた関係を、もう一度言葉へ戻す。
もう一度だけ
次は、
「AはBより背が高い。CはAより背が高い。DはBより背が低い。」
を、4人の高さが分かる図にしてみてください。

