第4回|写真の「外側」には何がある?

写っていないところまで考えてみる3分実験

「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。

今回は、昔の写真を一枚使います。

手元に写真があれば一枚選んでください。

なければ、よく覚えている写真を頭の中で思い浮かべても構いません。

まずやってみる

1.写真に写っているものを3つ

まず、見えるものをそのまま書いてください。

2.今度は「写っていないもの」を考える

写真には写っていないけれど、その場にあったはずのものを考えてみます。

たとえば、

人なら?

誰が写真を撮った?

音なら?

何か聞こえていた?

天気なら?

暑かった? 寒かった?

写真の前なら?

撮る直前に何をしていた?

写真のあとなら?

このあと何をした?

気持ちなら?

このとき、どんな気持ちだった?

思い出せるものを3つくらい書いてください。

3.一番印象に残ったものを細かくする

ここまでに思い出したものから、一つ選んでください。

そして、

誰がいた?
何が起きた?
何を話した?
何が見えた?
どう感じた?

などから、答えやすいものを2つくらい考えてください。

4.30秒で説明する

写真を見たことがない人にも分かるように、その日のことを30秒くらいで説明してください。

ここから種明かし

写真を見ると、最初は、

人
建物
海
食べ物

など、写っているものに目が向きます。

でも、

「誰が撮った?」
「この前は?」
「このあとどうした?」

と考えると、写真には写っていないことまで思い出す場合があります。

たとえば写真には海しか写っていなくても、

父親が写真を撮っていた
この直前に弟とけんかした
帰りにアイスを食べた

という出来事が一緒に思い浮かぶかもしれません。

見えているものだけが、出来事の全部ではない

写真は、その瞬間の一部分だけを切り取っています。

でも実際の出来事には、

写真を撮った人
写真の外にいた人
その前に起きたこと
そのあとに起きたこと
音
気持ち

などもあります。

今回は、

見えているところ

だけでなく、

見えていないところ

にも目を向けてみました。

ここまでの答えを見比べてみよう

<見るところ> <たとえば>
最初に見たもの 人、海、建物
写真の外を考えたあと 撮った人、音、天気
前後を考えたあと 写真の前にしたこと、このあと行った場所
一つを細かくしたあと 会話や気持ちまで思い出した
30秒にしたとき 写真だけでは分からないことも話に入れた

記憶学で見ると?

一つの手掛かりから、その周辺の出来事を探す
写真に写っているものだけでなく、撮った人、音、その前後などへ目を向けます。写真のような手掛かりから、関連する出来事や知識を思い出すことがあります。

他には……

  • 見えている情報と、思い出した情報を分ける: 写真に実際に写っているものと、自分が記憶から補ったものを区別して見ます。
  • 一つの場面には複数の情報が含まれる: 人・場所・気持ち・前後の出来事など、写真には直接写らない要素も一つの経験の中に含まれます。


脳のOSで見ると?

背景理解(理解OS 第17章)
写真に直接写っているものだけでなく、「誰が撮ったのか」「直前に何があったのか」「このあと何をしたのか」を考えます。目の前に見えている情報だけで、出来事全体ができているわけではありません。

他には……

  • 全体→部分(理解OS 第13章): 一枚の写真から、人・場所・表情・物などに分けて見る。
  • 部分→全体(理解OS 第14章): 写真という一部分から、その日の出来事全体を考える。
  • 前提把握(理解OS 第16章): 写真には写っていない「撮った人がいる」などの条件を見る。
  • 多角的視点(思考OS 第13章): 写っている人、撮った人、その場にいた別の人などから考える。

もう一度だけ

今度は写真ではなく、

「昔よく聴いた曲」

を一曲思い浮かべてください。

そして、

  1. 曲について思いつくものを3つ
  2. その曲を聴いていた場所
  3. 一緒にいた人
  4. 当時の出来事や気持ち
  5. 30秒でまとめる

までやってみてください。

曲そのもの以外に、何を思い出したでしょうか。

今日の実験はここまでです。

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