
場所から出来事へ進んでみる3分実験
「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。
「電車」と聞いたら、何を思い浮かべますか?
まずは、普通に考えてみましょう。
まずやってみる
1.「電車」から5個
「電車」と聞いて思いつくものを、30秒で5個書いてください。
2.今度は、場所から考えてみる
「電車」そのものではなく、電車に関係する場所を考えてください。
たとえば、
よく使う駅
昔使っていた駅
旅行で降りた駅
学校へ行く途中の駅
大きな駅
などです。
思い浮かぶ場所を3つ。
その中から、自分の経験につながる場所を一つ選んでください。
3.「その前・そのとき・そのあと」に分ける
選んだ場所での出来事を一つ思い出してください。
そして、3つに分けてみます。
その前
何をしていた?
そのとき
何が起きた?
そのあと
どうなった?
全部はっきり覚えていなくても構いません。
4.30秒でまとめる
今思い出した出来事を、30秒くらいで説明してください。
ここから種明かし
最初は、
駅
線路
切符
新幹線
通勤
のような言葉が出たかもしれません。
ところが、
「どの駅?」
と考えると、
大学へ通っていた駅
家族旅行で降りた駅
毎朝使っていた駅
のように、自分自身の経験につながることがあります。
さらに、
その前
そのとき
そのあと
と分けると、一つの出来事の前後まで考えることになります。
時間で分けると、見えるものが変わる
たとえば、
「電車に乗り遅れた」
だけなら一つの出来事です。
でも、
その前 → 家を出るのが遅れた
そのとき → 目の前で電車が出た
そのあと → 次の電車まで本を読んだ
と分けると、一つだった出来事がいくつかの場面に分かれます。
今回は「電車」を、
場所から考える
↓
出来事を思い出す
↓
時間で分ける
という順番で見てみました。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 最初の5個 | 駅、線路、切符 |
| 場所から考えたあと | 昔使っていた駅、旅行先の駅 |
| 出来事を選んだあと | 電車に乗り遅れた日 |
| 時間で分けたあと | その前・そのとき・そのあと |
| 30秒にしたとき | 必要な部分を選んで順番にした |
記憶学で見ると?
場所や前後の出来事も、思い出す手掛かりになりうる
「電車」だけで探すのではなく、「どの駅?」「その前は?」「そのあとは?」と探す場所を変えます。出来事を思い出すとき、場所・時間・前後関係などが手掛かりになることがあります。
他には……
- 一つの出来事を流れとして持つ: 「乗り遅れた」だけでなく、その前・そのとき・そのあとまで並べると、出来事の時間的なまとまりが見えます。
- 最後は自分で取り出す: 30秒で説明し、頭の中の出来事をどこまで自力で出せるか確かめます。
脳のOSで見ると?
ストーリー化(理解OS 第21章)
一つの出来事を「その前・そのとき・そのあと」という流れにして見ます。時間の順番を置くことで、ばらばらの場面を一つの出来事として扱いやすくします。
他には……
- 全体→部分(理解OS 第13章): 一つの出来事を、前・中・後へ分けて見る。
- 背景理解(理解OS 第17章): 目の前の出来事だけでなく、その前後に何があったかを見る。
- 因果関係(理解OS 第15章): 前後を並べたうえで、どこが原因と結果としてつながっているかを考える。ただし、順番があるだけで因果とは限らない。
- ストーリー化(理解OS 第21章:話として並べ直す): 思い出した場面を、30秒の話として並べ直す。
もう一度だけ
次のお題は、
「バス」
です。
今度は、
- 「バス」から5個
- バスで思い出す場所を3つ
- 一つの出来事を選ぶ
- 「その前・そのとき・そのあと」に分ける
- 30秒でまとめる
までやってみてください。
「電車」と「バス」では、思い出した出来事にどんな違いがあったでしょうか。
今日の実験はここまでです。

