
「高校生は、家で何時間くらい勉強すればいい?」
高校生の勉強時間は、長ければ長いほどよいわけではありません。学校、睡眠、部活などを除いた実際に使える時間を見て、集中できる単位に分けます。時間数より、その時間で何を終えるかを先に決めます。
先に数字から見ます。
ベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所の「子どもの生活と学びに関する親子調査2025」では、2025年の高校生の学校がある日の学校外学習時間は平均97分でした。学校の宿題、宿題以外の学習、学習塾の時間を合計した値です。2015年は119分でした。
一方、定期テスト1週間前について、進研ゼミ受講経験のある大学生130人に高校時代を振り返ってもらった2025年のアンケートでは、平均が平日約3.6時間、休日約7.0時間でした。
この二つは対象も聞き方も違います。
「普段の学校日」と「定期テスト直前」を同じ数字で考えない。
そして、どちらの平均も「あなたが必ずやるべき時間」ではありません。
まず「何のための勉強時間か」を分ける
| 場面 | 時間の意味 |
|---|---|
| 普段の学校日 | 宿題、復習、予習、弱点補強を生活の中で回す |
| 定期テスト前 | 範囲を短期間で確認し、演習と修正を増やす |
| 受験期 | 志望校・残り期間・現在地によって必要量が大きく変わる |
「高校生は毎日3時間」のように一つの数字を全員へ置くと、部活、通学、得意不得意、志望校、今の成績差が消えてしまいます。
平均より先に「予定した最小範囲が終わるか」を見る
たとえば平日90分を取れている人がいます。
- 始めるまで20分
- 教材を探して10分
- 通知で何度も止まる
- 50分ずっと読み直す
なら、90分を120分に増やしても、同じ使い方が30分延びるだけかもしれません。
逆に、開始が早く、解く・思い出す・直すまで回り、予定した範囲が終わるなら、平均より短くてもその日の目的を果たせる場合があります。
「時間が足りない」の中身を見る7か所
| 見る場所 | 1問 |
|---|---|
| 開始 | 勉強すると決めてから、1問目まで長かった? |
| 総時間 | 中断や切替が少ない日でも、予定した最小範囲が終わらなかった? |
| 配分 | 読む・解く・思い出す・直すのどれかに偏っていない? |
| 中断 | 通知や会話で何度も止まっていない? |
| 1問 / 工程時間 | 特定の問題や工程だけで長く止まっていない? |
| 教材切替 | 本・動画・検索・アプリを行き来していない? |
| 復習の再作業 | 復習のたびに最初から読み直していない? |
全部は直しません。直近1回で、一番大きく時間を使った1か所だけ選びます。
1日だけ「勉強時間の中身」を記録する
何日も細かく記録する必要はありません。まず1日だけで十分です。
| 記録するもの | 例 |
|---|---|
| 始める予定時刻 → 実際の1問目 | 19:00 → 19:18 |
| 大きな中断 | 通知・会話で合計15分 |
| いちばん長く止まった作業 | 数学1問で22分 |
| 今日終わらせる最小範囲 | 英単語20語+数学3問 |
| 実際に終わった範囲 | 英単語20語+数学2問 |
この1日だけでも、「本当に総時間が足りない」のか、「開始・中断・一問あたり時間など別の場所で消えている」のかが見えやすくなります。
15分増やすなら、先に「どこへ入れるか」を決める
「今日から15分増やす」だけでは、増えた15分が何に使われたか分かりません。
- 最初の15分を問題演習にする
- 最後の15分を間違い直しにする
- 翌日の小テスト用に、何も見ずに思い出す15分にする
のように、置き場所を決めます。
反対に、「30分減らしても同じ成果を出すなら、何をやめる?」と考えると、何となく続けている作業が見えることもあります。
眠いなら、睡眠を削って時間を作らない
勉強時間を増やす話では、睡眠が削減対象になりがちです。
でも、強い眠気や睡眠不足、体調悪化が続いている状態を、勉強時間の不足だけとして扱わない方がいい。
睡眠や健康を削る前に、開始の遅れ、中断、教材切替、全面的な読み直しなど、学習時間の中で動かせる場所を先に見ます。
自分の基準は「時間」だけで作らない
高校生の勉強時間を知りたいとき、平均は参考になります。
平均97分だから97分やる、ではありません。
必要なことが回る時間を、自分の生活の中で見つける。
そのために平均を使います。



