
順番を変えて、自分の思い出し方を見る3分実験
「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。
昨日、家に帰ったときのことを思い出してください。
まずやってみる
1.普通の順番で3〜5個
家に着くまでを、いつもの時間の順番で書いてください。
2.今度は、家から逆に戻る
家に着いた
その一つ前は?
そのさらに一つ前は?
と、逆向きに3〜5個たどってみてください。
3.最初にはなかったものが出た?
逆から考えたとき、
場所
人
音
出来事
など、最初には書かなかったものが出たか見てください。
何も増えなくても大丈夫です。それも今回の結果です。
4.どちらが思い出しやすかった?
前からと後ろからで、
出てきた内容
思い出しやすさ
に違いがあったか比べてみてください。
ここから種明かし
同じ帰り道でも、考え始める場所を変えてみました。
今回の目的は、
逆から思い出す方が優れている
と決めることではありません。
前からと後ろからで、自分の答えが変わるかを実際に確かめることです。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 普通の順番 | 学校→駅→家 |
| 逆向き | 家→交差点→駅→学校 |
| 新しく出たもの | 出た/出なかった |
| 思い出しやすさ | 前の方が楽/後ろの方が楽/同じ |
| 変わったところ | 同じ出来事を別の順番からたどった |
記憶学で見ると?
思い出すときは、一つの道しか使えないわけではない
出来事には、場所や時間、前後の出来事など複数の手掛かりがあります。いつもの順番とは違うところからたどると、使う手掛かりが変わることがあります。
他には……
- 見直すのではなく、自分で取り出してみる: どこまで自力で出せるかを確認できます。
- 結果に個人差があってよい: 前からの方が出る人、後ろからでも変わらない人など、自分の結果を見る実験です。
脳のOSで見ると?
メタ認知(思考OS 第14章)
前からと後ろからのどちらで何が出たかを比べ、自分の頭がどう動いたかを観察します。成功条件は「多く思い出すこと」ではなく、違いを見つけることです。
他には……
- ストーリー化(理解OS 第21章:順序を組み替える): 同じ帰り道を、逆の順番で並べ直す。
- 構造分解(理解OS 第12章): 一つの帰り道を、いくつかの場面に分ける。
- 仮説と検証(思考OS 第3章:確かめる): 「順番を変えると答えも変わるか」を自分で確かめる。
- 部分→全体(理解OS 第14章): 一つ一つの場所から、帰り道全体をたどり直す。
もう一度だけ
次は、
「今日、起きてから今まで」
を、今この瞬間から逆向きに3〜5個たどってみてください。

