
一つの答えに決める前に、候補を並べる3分実験
「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。
教室へ戻ると、
自分の机の上がぬれていました。
まだ、何が起きたのかは分かりません。
まずやってみる
1.理由を3つ考える
机がぬれた理由として、
ありそうなものを3つ考えてください。
2.何を見れば区別できる?
たとえば、
水筒が倒れた
窓から雨が入った
誰かが水をこぼした
という3つを考えたとします。
それぞれを確かめるには、
何を見ればよいでしょうか。
3.新しい情報が一つ増えた
次の情報が分かりました。
窓は閉まっていた。
最初の3つの候補はどう変わるでしょうか。
4.まだ決められないなら?
候補が2つ残ったとします。
次に何を確かめれば、
どちらかに近づけるでしょうか。
ここから種明かし
最初に机を見た瞬間、
水筒を倒したんだ
と一つに決めることもできます。
でも今回は、
もしかしてA
もしかしてB
もしかしてC
と、いくつかの候補を先に置きました。
そのあと、
窓は閉まっていた
という新しい情報を使って、
候補を減らしました。
「最初の答えを当てる」より、
候補を作る
↓
何を見れば区別できるか考える
↓
情報で候補を残したり捨てたりする
という流れを使っています。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 最初の現象 | 机がぬれている |
| 最初の候補 | 水筒、雨、誰かがこぼした |
| 確かめるもの | 水筒、窓、周りの様子 |
| 新しい情報のあと | 雨の候補が弱くなった |
| 最後 | まだ分からなければ次に見るものを決めた |
記憶学で見ると?
候補を作るときには、過去に知った原因や経験が材料になる
「机がぬれている」から水筒や雨を思いつけるのは、似た出来事や知識を持っているからです。記憶にある材料から、今の出来事に使えそうなものを取り出しています。
他には……
- 最初に思い浮かんだ一つだけが、唯一の答えとは限らない: 別の経験や知識を探すと、違う候補が出てくることがあります。
- 新しい情報が入ったら、最初の候補に固執せず更新する: 「窓は閉まっていた」のような情報によって、使う候補を変えていきます。
脳のOSで見ると?
仮説と検証(思考OS 第3章:仮説を置く)
まだ答えが分からない段階で、「もしかしてこうでは?」という候補を複数置きます。仮説は正解を決めることではなく、次に何を見ればよいかを作るための仮の答えです。
他には……
- 仮説と検証(思考OS 第3章:確かめる): どの候補が合っているか、見るべき情報を決める。
- 選ぶと捨てる(思考OS 第10章): 「窓は閉まっていた」などの情報で、合わない候補を外す。
- 場合分け(思考OS 第1章): 見つかった情報によって、次に調べる場所を変える。
- 仮説と検証(思考OS 第3章:反証を探す): 自分の候補が間違っているとしたら、どんな証拠が出るか考える。
もう一度だけ
次は、
「冷蔵庫を開けたら、牛乳がなくなっていた」
理由を3つ考え、
それぞれ何を確かめればよいか考えてみてください。

