思考OS 第12章|循環を見る

これだけ覚えよう

  • 原因と結果が一方通行ではなく、ぐるぐる回っていることがある。
  • 「話しかけない → 距離ができる → 相手の反応が薄くなる → もっと話しかけにくくなる」のような形。
  • 悪い循環だけでなく、「少しできる → 自信がつく → またやる」のような良い循環もある。
  • 輪になっているときは、「最初の原因は何?」だけを探しても答えが出ないことがある。
  • 全部を一度に変えず、「この輪のどこなら少し変えられる?」を探す。

輪には、色がついていない

話しかけない。

それだけで、少し距離ができる。

距離ができると、返ってくる反応が薄くなる。

反応が薄いと、次はもっと、話しかけにくくなる。

話しかけないから距離ができたのか、距離があったから話しかけなくなったのか。

もう、どちらが先だったのか分からない。

一つの原因を探して、そこを直せば終わる。

多くの問題は、そう考えて片づく。

けれど、この四つは輪になっていて、直すべき一点が、輪のどこにも見当たらない。

効果には、時間差がある。

今日の一言が、来週になって、遠くから戻ってくることもある。

すぐに返ってこないからといって、何も起きていないわけではない。

輪そのものは、良くも悪くもない。

小さな自信が次の一歩を生み、それがまた自信になる。そんな良い輪もある。

回っているものの向きが違うだけで、輪という仕組みは同じだ。

だから、輪を見つけて終わりにしない。

いちばん小さく変えられる場所を、輪の中に探す。

話しかけないところを直すのか、反応の薄さのほうを直すのか。

一箇所を変えるだけで、輪全体の回り方が変わることがある。

断ち切ることだけが、対処ではない。

弱める。遅らせる。反対向きの、小さな輪をもう一つ足す。

やり方は、一つではない。

自分の一言は、まっすぐ消えていくのではない。

輪をめぐって、いつか、また自分の足元へ戻ってくる。

循環を見るとは、断ち切る場所ではなく、緩められる場所を、輪の中に見つける力なのかもしれない。


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