記憶OS 第18章|書き出し記憶

これだけ覚えよう

  • 頭の中にあることを、何も見ずに紙へ書き出してみる。
  • 「毎日やっているから分かっている」と思う作業でも、説明を書こうとすると途中で止まることがある。
  • 書けたところは外へ出せたところ。空白になったところは、うまく出せなかったところ。
  • 頭の中だけでは見えなかった「分かる場所・分からない場所」が紙の上で見える。
  • きれいな文章を書くためではなく、自分の中に何があるかを見るために書く。

余白のほう

来月から人が替わるので、手順を書いてくださいと言われた。

毎日やっている作業だ。目をつぶってもできる。

紙を一枚もらって、机に置く。

一、端末を立ち上げる。

二、前日の分が入っているか確かめる。

三、

ペンが止まる。

三番目に、自分は何をしているのか。

手はやり方を知っている。いま、机の上で右手が少し動いた。あの画面のあの位置を、指が押しにいっている。押しにいっているのに、押した先で何が変わるのかが、言葉になって出てこない。

四番目と五番目は、すぐ書けた。

六番目でまた止まる。

書けた行と、書けなかった行が、同じ紙の上に並ぶ。

書けたところは、一行ずつ埋まっていく。書けなかったところは、行が始まらない。番号だけが打たれて、そのあとが白い。

その白いところが、そのまま、こちらから出てこなかった分だ。

見えるようにしようと思って書いたのではない。書こうとしたら、見えてしまった。

毎日できている、ということと、外へ出せる、ということが、同じ紙の上で分かれている。分かれるまで、この二つは同じものだった。

紙を裏返さない。

三番と六番の空いた行を、そのままにして、明日もう一度、机に置く。


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