記憶OS 第19章|ノート再構築

これだけ覚えよう

  • ノートや教科書を閉じて、自分の頭に残った形で作り直してみる。
  • 元のページをそのまま写すのではなく、「Aの次にBが必要」「ここが先」のように、自分が分かったつながりを書く。
  • 元の資料からたくさん抜けてもかまわない。あとで開けば、抜けた情報は確かめられる。
  • 大切なのは、自分の頭の中でできた順番やつながりを、一度外へ出してみること。
  • ノートをきれいに作り直すのではなく、「自分はどう理解した?」を作り直す。

閉じてから書く

説明会でもらった冊子には、必要な手続きが十四、並んでいる。

書類の名前と、窓口と、受付時間。一つずつは、はっきり書いてある。

三度読んだ。読むたびに分かった気になり、閉じると、どこから手をつけるのか分からなくなる。

四度目に、読むのをやめた。

冊子を裏返して、机の端に置く。白い紙を一枚出して、頭に残っているものだけを書く。

書けたのは、こうだった。

Bを出さないと、Cの窓口へ行っても受け付けてもらえない。

Bには、Aの控えが要る。

Aは市役所で、Bは職場でもらう。職場は平日しか動かない。

だから、平日を一日、先に押さえる。

四行しかない。冊子には十四あったので、十も落ちている。

けれど、この四行には、冊子に書かれていなかったものが入っている。

冊子には、AとBとCが、それぞれ別の項目として並んでいた。並んでいるだけだった。どれが先かも、どれが何を待っているかも、どこにも書かれていない。書く必要がなかったのだと思う。作った人は、全部を知っていたから。

こちらは知らない。だから、頭の中で、勝手に順番ができていた。

四度読むあいだに、できていた。できていたのに、冊子を開いているあいだは、そちらを見ていなかった。目が、印刷された十四のほうへ行っていたからだ。

閉じたときに残ったのは、少ないほうだった。少ないほうには、線が入っていた。

落ちた十も、あとで冊子を開けば書いてある。困らない。困るのは、線のほうを一度も外へ出さないまま、また最初から読み直すことだ。

紙をもう一度見る。

四行のうち、いちばん下の行が、いちばん先にやることになっている。

冊子の並びとは、逆から始まっていた。


ノートの取り方は、1種類に決めなくていい

「きれいに書く」「全部写す」「要点だけ書く」のどれが正解かで迷うのは、ノートの役割が混ざっているからです。まず、いつ使うノートなのかを3つに分けます。

授業ノート 先生の説明・例・自分が止まった場所を残す。全部を清書しない。

復習ノート 元を閉じて、自分が覚えている順番やつながりを再構築する。

間違いメモ 正解を書き写すより、「なぜ間違えたか」「次に何を見るか」を短く残す。

例:英語の授業ノートを、そのまま暗記ノートにしない

授業中は先生が強調した文法、間違えた理由、あとで確認する印を残します。復習ではそのページを閉じ、「今日の要点を3つ言えるか」を先に試します。出なかったところだけ戻る方が、清書をもう一度読むより何が残っていないかが分かります。

ノートを増やさない方がいい場合

すでにノートは十分あり、復習の順番が分からないなら書き出して思い出す練習を先に見ます。問題を解いているのに定着しないなら、ノートを追加するより自分の言葉で説明する自己説明を見た方が近い場合があります。

良いノートかは、閉じたあとに確かめる

一度閉じて、要点を一文で言えるか、問題で使えるか、戻る場所が分かるかを確認します。ノートは完成品ではなく、理解・記憶・間違いの場所を外へ出す道具です。

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