
一つを良くすると、別のものが減る3分実験
「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。
遠足へ行きます。
リュックを軽くしたいので、
次の5つから3つだけ持っていけます。
大きい水筒
折りたたみ傘
おやつ
カメラ
薄い上着
天気予報は、
晴れ。午後に少し雨の可能性あり。
です。
まずやってみる
1.3つ選ぶ
5つから、持っていくものを3つ選んでください。
なぜその3つにしましたか。
2.選ばなかった2つで、何を失う?
持っていかないものについて、
それを持たないことで困ること
を一つずつ考えてください。
3.条件が変わったら?
今度は、
気温がかなり高くなる
と分かりました。
選ぶ3つは変わるでしょうか。
4.もう一つ条件を変える
さらに、
遠足先では写真撮影が禁止
だと分かりました。
もう一度3つを選んでください。
ここから種明かし
今回は、
一番大事なものを選ぶ
だけではありません。
何かを持っていけば、
その分だけ別のものを持っていけなくなります。
たとえば、
傘を持つ
→ 雨には強くなる
→ でも別の一つを置いていく
という関係があります。
一つを良くすると、
別のものをあきらめなければならない。
その「交換」を見ながら決めるのが、
今回のポイントです。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 最初 | 5つとも持っていきたい |
| 3つにしたあと | 2つをあきらめた |
| 持たないものを見たあと | 選んだ代わりに失うものが見えた |
| 暑くなったあと | 水分や上着の価値が変わった |
| 写真禁止のあと | カメラを持つ意味が変わった |
記憶学で見ると?
今回は、記憶よりも思考側が中心の実験です。
覚えるときにも、「何を残し、何を省くか」を決める場面がある
すべての細部を同じ強さで持つのではなく、あとから内容を戻すために中心になる部分を選ぶことがあります。今回の荷物選びとは別の作業ですが、「全部は持たず、目的に合わせて残す」という点では似ています。
他には……
- 目的によって残す手掛かりは変わる: テスト用、人に説明する用など、何のために覚えるかで中心は変わります。
- 省いた情報が不要だったとは限らない: 今回の目的では優先しなかった、という区別ができます。
脳のOSで見ると?
選ぶと捨てる(思考OS 第10章:得るものと捨てるものを見る)
何かを選ぶと、その代わりに何かを失います。「どれが一番良いか」だけではなく、「これを取る代わりに何をあきらめるか」を同時に見るのがポイントです。
他には……
- 選ぶと捨てる(思考OS 第10章:選ぶ側): 複数の候補から3つを選ぶ。
- 選ぶと捨てる(思考OS 第10章:捨てる側): 今回は持っていかないものを決める。
- 制約を置く(思考OS 第8章): 「3つまで」という条件の中で考える。
- 決める(思考OS 第11章:全体を調整する): 天気や目的に合わせて、組み合わせ全体を調整する。
もう一度だけ
今度は、
「旅行に持っていけるアプリは3つだけ」
として、
地図
カメラ
ゲーム
音楽
翻訳
から3つ選び、
何を得て何をあきらめるか考えてみてください。

