英単語が覚えられないとき|単語帳を何周もする前に見る6か所

単語帳を二周、三周した。赤シートでも確認した。それでもテストになると出てこない。

英単語が覚えられないときは、単語帳を最初からやり直す前に、どこで失敗しているかを分けます。意味が入らないのか、見れば分かるのに思い出せないのか、スペルだけ出ないのかで必要な練習は変わります。

この状態になると、「もっと周回する」「別の単語帳に変える」「別の暗記法を探す」と、方法を足したくなります。

その前に一度だけ確認したいことがあります。

英単語が覚えられない、の中で、どこが崩れているのか。

全部を調べる必要はありません。今の症状に一番近い1か所だけ見ます。

英単語が覚えられないときに見る6か所

見る場所 まず確かめること
理解 日本語の意味や使う場面が分かる?
入力 音・綴り・意味に一度きちんと注意を向けた?
見覚え / 手がかり 単語を見れば「これだ」と分かる?
自力想起 単語帳を閉じても意味や英語を出せる?
区別 似た単語と混ざっていない?
時間経過 翌日や数日後にも出せる?

まず症状に一番近い1か所を選びます。迷ったときだけ前から確認します。

単語帳の例文そのものが難しくないか

英単語帳は、単語だけを覚える本に見えます。

でも実際の1ページには、見出し語だけでなく、例文、複数の意味、品詞、派生語、語法、熟語、似た語との違いなどが一緒に載っていることがあります。

英語がある程度分かる人には、こうした情報が手がかりになります。

一方で、英語そのものがまだ苦手な段階では、単語を覚える前に、例文の文法や周りの語を理解する仕事まで発生することがあります。

まず1文だけ確認します。

その単語が載っている例文を見ながら、「この文は何を言っているのか」を自分の言葉で説明できるか。

ここで止まるなら、「単語が覚えられない」だけではありません。6か所でいうと、まず理解を見る場面です。

たとえば、例文の時制が分からない。関係代名詞で文の構造を見失う。一つの単語に意味がいくつも並び、どれを覚えればいいか分からない。名詞・動詞・形容詞で形や使い方が変わる。

こうしたものを全部まとめて「暗記力がない」とすると、必要以上に単語の反復回数だけを増やすことになります。

英語が苦手なときは、教科書を「足場」にして単語帳を使う

単語帳をゼロから全部理解する場所にしない、という使い方もできます。

学校の教科書で一度扱った文章なら、授業で見た文法や話の流れ、登場人物やテーマなど、すでに知っているものがあります。

その文章の中で単語にもう一度会うと、単語だけが空中に浮きにくくなります。

たとえば教科書で develop に出会ったなら、まずはその文の中で「何がdevelopしたのか」「この文ではどんな意味だったのか」を確認します。

そのあと単語帳を開けば、単語帳に並ぶ複数の意味や派生語を、いきなり全部ゼロから抱える必要はありません。

教科書と単語帳の役割を分ける

教科書:知っている文章の中で、意味や使われ方の足場を作る

単語帳:語彙を広げ、抜けを見つけ、別の意味や使い方へ少しずつ広げる

もちろん、入試などで教科書に出てこない語彙まで必要なら、単語帳は必要です。

ただし英語が苦手な段階ほど、単語帳だけで「単語・文法・多義語・品詞・語法」を一度に処理しようとしない方が、どこで困っているかを見つけやすくなります。

答えを見れば分かるのに、隠すと出ない

単語帳を何周もすると、ページを見た瞬間に「知っている」と感じやすくなります。

そこで一度だけ、答えを隠します。

何も見ずに出せるか。

出ないなら、さらに一周する前に「見る時間」を少し減らして、「思い出す時間」を作ります。

英語→日本語は出るのに、日本語→英語が出ない

覚えている方向と、使いたい方向がずれていることがあります。

英文を読むためなら英語から意味が出れば役立ちます。英作文や発話で使いたいなら、日本語や場面から英語を出す方向も必要です。

全部の単語で毎回両方向をやる必要はありません。必要な方向で出ない単語だけ確認します。

似た単語が混ざる

綴り、音、意味が似た語を取り違えるなら、「英単語が全部覚えられない」と考えるより、混ざっている二語を特定します。

「何と何を間違えた?」「違いを一行で言うと?」

問題を二語の境界まで小さくすると、対策も小さくできます。

覚えた直後は出るのに、翌日に抜ける

直後に言えることと、時間がたっても出せることは同じではありません。

翌日、まず何も見ずに一度出してみます。出なかったものだけ確認します。

最初から全部読み直すより、「翌日に何が出なかったか」を見つけた方が、次に触る単語を減らせます。

何周しても弾かれる単語だけ、強い道具へ回す

単語帳の全部に重い暗記法を使う必要はありません。

普通の反復で残る語もあれば、何度会っても弾かれる語もあります。

「あたまの道具箱」の記憶学第8章では、その残りに対して 音 → 映像 → 出来事 → 場所 へ変換する方法を扱っています。

単語帳を捨てるのではありません。単語帳で「まだ残っていない単語」を見つけ、難物だけ別の道具へ回します。

→ 記憶学 第8章「英単語 ── 音でつかまえ、映像で住まわせる」

まず10語だけで確認する

新しい単語帳を買う前に、今の単語帳から10語だけ選びます。

  • 見れば分かるか
  • 隠して出るか
  • 似たものと混ざらないか
  • 翌日にも出るか

一番崩れた場所を一つだけ見ます。

英単語が覚えられないとき、最初に必要なのは暗記法の数ではありません。

今どこで止まっているかを、一つ見つけることです。

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