
これだけ覚えよう
- 習った直後に、いったん見ないで「今、何が残っている?」を確かめる。
- 読み終えたら、ページへ戻る前に、内容を言ってみる。
- 読んでいる間は全部分かった感じがしても、閉じると抜けているところが見つかる。
- ここで調べたいのは、あとで覚えているかではなく、「今この瞬間に何が入ったか」。
- 出なかったからダメなのではない。どこまで入ったかが分かれば、この確認の役目は果たしている。
戻らないでください
一行前に、何が書いてありましたか。
まだ何も書いていないので、これはずるい問いです。
では、こうします。次の三行を、いつもの速さで読んでください。覚えようとしなくて構いません。
昨日の夕方、駅の南口の階段の下に、段ボールが三つ積んであった。いちばん上のものだけ口が開いていて、中に緑色の紐が見えた。すぐ横で、白い犬が座って待っていた。
戻らないでください。
いくつ積んでありましたか。
紐は何色でしたか。
犬は、何をしていましたか。
三つとも出た方は、そう多くないはずです。二つは出て、一つが曖昧になる。曖昧になったところが、いま入っていないところです。
戻って読み直せば、全部あります。読み直したあとの感じは、さっきと変わりません。
ここが厄介なところです。読んでいるあいだ、手ざわりは最初から最後まで同じ濃さで続いています。濃さが一定なので、抜けているところが、読んでいるうちは見えない。
一度、出そうとしたときだけ、その平らな面に段ができます。
これは、あとで確かめるための問いではありません。あとまで待つと、別のことが分かります。ここで知りたいのは、いま、この瞬間に何が入ったか、それだけです。
だから、間を空けないでください。
読み終える。目を上げる。まだ一行も戻らないうちに、一度だけ出す。
出るものは、たいてい思っていたより少ない。少ないと分かった時点で、この操作はもう終わっています。増やす作業はここには入っていません。
もう一度、やってみます。
ここまで読み終えたところで、上へ戻らずに、言ってみてください。
いま読んでいたのは、何の話でしたか。
出た分だけが、いま、あなたのほうにあります。
残りは、まだページのほうにあります。
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