
「一度だけ」と「くり返し」を分ける3分実験
「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。
次の3日を見てください。
月曜日
夜、ゲームをしていて、寝る直前に宿題を始めた。
朝、国語のノートを忘れた。
水曜日
夜、動画を見ていて、寝る直前に宿題を始めた。
朝、体育のタオルを忘れた。
金曜日
夜、漫画を読んでいて、寝る直前に宿題を始めた。
朝、筆箱を忘れた。
まずやってみる
1.3日とも同じだったところを探す
忘れた物は違います。
では、3日とも同じだったことは何でしょうか。
一つか二つ書いてください。
2.違っていたところも探す
3日で違っていたことを2つ書いてください。
3.「原因だ」と言い切れる?
たとえば、
寝る直前に宿題をしたから、忘れ物をした
と言い切ってよいでしょうか。
「まだ分からない」と思うなら、
何をもう少し知りたいか書いてください。
4.次に確かめるなら?
次の一日だけ、
宿題を夕方に終わらせる
としたら、何を見ればよいでしょうか。
ここから種明かし
3回とも、
寝る直前に宿題をしていた
という共通点がありました。
これは「くり返している形」です。
でも、
くり返していた
=
原因だった
とは限りません。
ほかにも、
朝の準備をしていなかった
寝る時間が遅かった
たまたま忘れ物が続いた
などの可能性があります。
まずパターンを見つけ、
そのあと「本当に関係がある?」と確かめる。
ここは別の作業です。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 3回の出来事 | 忘れた物はそれぞれ違う |
| 共通していたこと | 寝る直前に宿題をした |
| 最初の予想 | これが関係しているかも |
| まだ分からないこと | 本当に原因なのか |
| 次にすること | 条件を一つ変えて確かめる |
記憶学で見ると?
一回の失敗より、「どんなときに起きたか」を一緒に残す方が次に使いやすい
「筆箱を忘れた」だけでは、その日の失敗で終わります。いつ、何をしていて、その前に何があったかまで一緒に振り返ると、次に似た状況が来たときの手掛かりにできます。
他には……
- 似た出来事を並べると、共通する条件を思い出しやすくなる: 一日ずつ別々に見るより、複数回を並べることで「毎回ここが同じだった」と気づけることがあります。
- 思い出した内容を外に出すと、比べやすくなる: 頭の中だけで三日分を持つより、書いて並べた方が違いと共通点を確認しやすくなります。
脳のOSで見ると?
パターン認識(理解OS 第9章)
一度だけ起きたことではなく、複数回を並べて「同じ形がくり返していないか」を見ます。ただし、パターンが見えたことと、原因が分かったことは同じではありません。
他には……
- 比較理解(理解OS 第7章): 三日分を同じ場所に並べ、同じ点と違う点を見る。
- 仮説と検証(思考OS 第3章:仮説を置く): 「寝る直前に宿題をすることが関係しているかも」と候補を置く。
- 仮説と検証(思考OS 第3章:確かめる): 条件を変えた日に、結果も変わるか確かめる。
- 例外処理(理解OS 第10章): 同じ条件なのに忘れなかった日があれば、別枠として見る。
もう一度だけ
最近、
「同じようなことで3回困った」
ことがあれば、
3回を並べて共通点を一つ探してみてください。

