一問の×から、何を持ち帰る?

数学の問題を解く。

一問、間違える。

答案を見ると、本当は、

符号を変えるところで間違えた

という情報が手に入っています。

ところが本人の中では、

「また間違えた」
「やっぱり数学が苦手だ」

で終わることがあります。

一問解くたびに、問題についての情報ではなく、自分自身についての評価が更新されている状態です。

×には、「次に直す場所」も入っている

一問解くと、少なくとも二つの結果が出ます。

一つは、

正解/不正解

です。

もう一つは、

どこまでできて、どこからできなかったか

です。

たとえば不正解でも、

  • 公式は選べた
  • 式は立てられた
  • 最後の計算だけ間違えた

なら、次に直す場所はかなり限定できます。

ところが、

×だった → できない

だけで終えると、その情報が消えてしまいます。

点数だけでなく、「次の学習指示」を残す

練習したあとに、

5問中2問正解

とだけ記録することもできます。

でも、

  • 問2:式は作れた。計算ミス
  • 問3:最初の方針が分からない
  • 問5:公式を忘れていた

と残せば、同じ3問の不正解でも次の行動が変わります。

計算練習をするのか。

解き方を学ぶのか。

公式を覚え直すのか。

不正解が、そのまま次の学習指示になります。

毎日の練習まで、毎回「自分の実力テスト」にしなくていい

もちろん、模試では点数を見る必要があります。

入試なら、合否もあります。

評価から完全に離れることはできません。

だからこそ、毎日の問題集まで一問ごとに、

「自分は数学ができる人か」

を判定する場にしなくてもいいはずです。

練習中に必要なのは、

「自分は数学ができるか?」

への答えより、

「次にどこを直せば、一問分前へ進むか?」

という情報です。

一問の×を、自分全体についての採点にするか。

次の一手についてのデータにするか。

同じ不正解でも、そこから持ち帰るものは変えられます。

感情OS第8章:評価恐怖対処


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