
連立方程式は、二つの式を同時に満たすx、yを求める問題です。加減法と代入法を別々の手順として暗記するより、一つの文字を消すのが加減法、一つの文字を別の式で置き換えるのが代入法と考えると、どちらを選ぶか判断しやすくなります。
加減法は係数をそろえて一文字を消す
なら、二式を足すとyが消えます。
なのでx=4。
元の式へ代入してy=3です。
答えは
です。
係数がそろっていなければ式を倍する
yを消したいなら、上の式を2倍して
とします。
そこから下の式を引くと、
なのでx=2。
2x+y=7 へ戻して、
よりy=3です。
代入法は一文字がすでに孤立していると便利
なら、二つ目のyを 2x+1 に置き換えます。
x=3、y=7です。
yが最初から表されているので、代入法が自然です。
どちらを使ってもよい問題も多い
同じ連立方程式を加減法でも代入法でも解ける場合があります。
「この形なら絶対加減法」と機械的に決める必要はありません。
ただし、
- 係数が簡単にそろう → 加減法
- x=…、y=…の形がある → 代入法
と見ると計算量をかなり大きく減らせます。
よくある誤り:片方の式だけ倍する場所を間違える
式を2倍するときは、左辺の一部だけでなく式全体を2倍します。
を2倍するなら、
です。
4x+y=7 ではありません。
等式の左右へ同じ操作をする原則を保ちます。
符号が同じなら引く、反対なら足す
yの係数が
+3と+3なら引けば消えます。
+3と-3なら足せば消えます。
「加減法だから必ず足す」のではありません。
目的は足し算・引き算をすることではなく、一つの文字の係数を0にすることです。
分数があるなら先に整数へ直すこともできる
のような式なら、両辺を2倍して
としてから連立処理すると計算しやすい場合があります。
ただし、倍するときは全項を忘れずに処理します。
解が出たら必ず二式へ戻す
x=2、y=3が出たら、片方だけでなく二つの式へ代入します。
両方成立します。
連立方程式の解は、二つの条件を同時に満たす必要があります。
解がない場合もある
は同時に成立しません。
同じ左辺が別の値に等しいため、解なしです。
グラフなら平行な二直線に対応します。
解が無数にある場合もある
二つ目は一つ目の2倍です。
実質的に同じ条件なので、一つの交点へ絞れません。
グラフなら同じ直線が重なります。
文章題では文字の意味を先に決める
大人x人、子どもy人のように置いたら、その意味を最後まで変えません。
式を解く前に、
- 人数
- 金額
- 個数
- 距離
など単位を書きます。
解が出ても、負の人数など問題場面に合わない値なら条件を再確認します。
問題:合計10個、合計760円
100円の商品x個、60円の商品y個を合わせて10個、合計760円とします。
上の式を60倍して
下の式との差を取ると、
x=4、y=6です。
検算すると個数10、金額400+360=760です。
グラフで見ると「二条件の交点」
と
をそれぞれ直線として描くと、交点(4,3)が両方を満たします。
加減法・代入法は、この交点を式で求める方法だと見ることができます。
次は「どの文字を消すと楽か」を先に判断する
問題を見たら計算前に、
- 係数が同じ・反対の文字はあるか
- 1回の倍でそろう文字はどれか
- すでにx=…、y=…の形はあるか
を確認します。
加減法か代入法を先に決めるのではなく、計算を短くできる変形を選ぶことが、初見問題での安定につながります。
途中で分数が出ても「失敗」とは限らない
連立方程式を解くと、途中や答えに分数が出ることがあります。
整数にならないから計算ミスだと決めず、元の式へ代入して確かめます。
たとえば
なら、加えると 2x=32 なので x=34、y=14 です。
整数だけが正解という思い込みを捨て、二つの式を同時に満たすかで正誤を判断します。
消去する文字は毎回同じでなくてよい
xを消すかyを消すかは、係数を見て楽な方を選びます。たとえばxの係数が2と4、yの係数が5と-5なら、yは足すだけで消えます。
「いつもxを消す」と固定すると、不要な倍数計算が増えます。消す文字も解法の一部として選ぶと計算量を減らせます。
参考資料
- 文部科学省「中学校学習指導要領・解説」



