「分かった」と一言で言っても、実際にはいろいろな「分かる」があります。理解OSでは、この「分かる」を25の小さな見方に分けています。全部を覚える必要はありません。今どんな見方が足りないかを探すための道具です。
一覧
定義理解 / 用語分解 / 具体⇄抽象変換 / 例示理解 / 言い換え / 本質抽出 / 比較理解 / カテゴリー化 / パターン認識 / 例外処理 / 境界理解 / 構造分解 / 全体→部分 / 部分→全体 / 因果関係 / 前提把握 / 背景理解 / 逆説理解 / イメージ化 / 図式化 / ストーリー化 / 比喩理解 / 数式化 / 誤解修正 / 再定義
第1章|定義理解
その言葉が「何を指し、何を指さないか」をつかむ。
言葉を知っていることと、その意味を理解していることは同じではありません。「これは含む。でもこれは含まない」と境目が見えると、言葉の輪郭がはっきりします。
第2章|用語分解
大きな言葉の中に、どんな意味が入っているかを分ける。
「ちゃんと考える」「コミュ力がある」「頭がいい」。一語では分かったように見えても、中にはいくつもの働きが混ざっています。
第3章|具体⇄抽象変換
「つまり?」と「たとえば?」を往復する。
具体例から共通点を取り出し、抽象的な言葉を実際の場面へ戻します。理解が止まったら、抽象度を一段上げたり下げたりして見ます。
第4章|例示理解
抽象的な意味を、実際の例へ着地させる。
説明を読んで分かったつもりでも、例を求められると止まることがあります。概念が実際にはどんな姿で現れるかを見ます。
第5章|言い換え
同じ意味を、別の言葉で表す。
専門用語を日常語へ、長い説明を短く、相手に届く言葉へ。意味を保ったまま表現の形を変えます。
第6章|本質抽出
取り除いてもよい部分と、なくすと別物になる部分を見分ける。
「これをなくしても、まだ同じものと言えるか?」と削り、その対象をその対象たらしめている中心を探します。
第7章|比較理解
二つを並べて、同じところと違うところを見る。
一つだけでは気づかなかった特徴が、別のものと比べることで見えてきます。差を使って対象の輪郭をはっきりさせます。
第8章|カテゴリー化
共通点をもとに、似たものを同じまとまりとして見る。
大量のものを一つずつ扱う代わりに「同じ仲間」とまとめます。何を共通点として一緒にするかを決める見方です。
第9章|パターン認識
繰り返し現れるものの中に、共通する形を見つける。
似た出来事が何度も現れたとき、その背後に同じ形がないかを見ます。
第10章|例外処理
ルールに当てはまらないものを、そのまま例外として扱う。
例外が一つ出たからルール全体が無意味になるとは限りません。ルールがどこまで成り立ち、どこから外れるかを見ます。
第11章|境界理解
「どこまで同じで、どこから違うか」を見る。
白と黒の間に灰色があるように、「どこまでなら○○と言える?」と概念の端を探します。
第12章|構造分解
一つに見えるものを、部品とその関係に分ける。
何があり、何と何がつながり、どこで止まっているのか。まとまりの内部を開いて仕組みを見ます。
第13章|全体→部分
先に全体像を見て、部分がどこに位置するかを知る。
先に地図を見て、そのあと現在地を見る。部分に全体の中での住所を与える見方です。
第14章|部分→全体
いくつかの断片から、全体像を組み立てる。
見えている部分から「全体はこうなっているのでは?」と仮の形を作ります。
第15章|因果関係
何が、何を引き起こしているのかを見る。
AのあとにBが起きても、必ずAが原因とは限りません。別の原因や複数原因も含めて、原因と結果のつながりを見ます。
第16章|前提把握
意見や判断の下にある「言われていない当たり前」を見る。
同じ出来事でも結論が違うとき、何を普通・当然だと思っているかという土台の違いを見ます。
第17章|背景理解
目の前の出来事を、その前にあったものまで含めて見る。
過去の経験、その場所の事情、以前のルールなど、今の姿を作った時間や状況をさかのぼります。
第18章|逆説理解
一見すると矛盾している二つの考えが、どんな条件なら同時に成り立つかを見る。
表面だけなら反対でも、時間の幅や条件を変えると筋が通ることがあります。反対に見える考えの間に隠れた条件を探します。
第19章|イメージ化
言葉を、頭の中で見える形へ変える。
人物、場所、動き、大きさ。説明を映像や形として思い浮かべます。
第20章|図式化
複数のものを、位置や線で同時に見えるようにする。
丸、線、矢印、配置。文章では順番にしか読めない関係を、一枚の上で同時に見ます。
第21章|ストーリー化
バラバラの出来事を、時間の流れとしてつなぐ。
何が起き、そのあと何が起き、それによって何が変わったかを「前→後」の流れへ並べ直します。
第22章|比喩理解
分からないものを、知っているものとの似た形から見る。
似ている部分を借りて考えやすくします。ただし二つが同じものになるわけではありません。
第23章|数式化
複雑な関係を、変数と関係式として表す。
何が増えると何が変わるか、どの要素が結果に関わるかを、変数と関係の形へまとめます。
第24章|誤解修正
実際に分かっていることと、自分が足した解釈を分け直す。
事実・推測・解釈が混ざったところを、もう一度分け直します。
第25章|再定義
一度与えられた言葉の輪郭を、理解したあとでもう一度引き直す。
例を見て、比べて、境界を考えたあとに、より正確な輪郭へ引き直します。
「分からない」も一種類ではない
言葉が曖昧なのか、具体例が足りないのか、全体像が見えていないのか、前提が違うのか。分からないを一種類だと思わないことが、この25個を分ける意味です。