
境目のない言葉に、線を引いてみる3分実験
「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。
「近所」と聞けば、なんとなく意味は分かります。
でも、
どこまでが近所?
と聞かれると、少し困ります。
まずやってみる
1.これは近所?
次の場所を考えてください。
徒歩2分のコンビニ
徒歩8分の公園
自転車で10分のスーパー
電車で1駅の駅前
車で15分のショッピングモール
それぞれ、
近所
近所ではない
迷う
のどれかに分けてください。
2.自分の境目を探す
あなたの場合、
何分くらいまで
どんな移動手段まで
どのくらい知っている場所まで
なら「近所」と呼べそうでしょうか。
3.人が変わったら?
次の人ならどうでしょう。
小学1年生
車をよく使う大人
その町に住んで30年の人
「近所」の範囲は同じでしょうか。
4.一文で言うなら?
最後に、
私にとって近所とは、________。
と書いてみてください。
ここから種明かし
「近所」には、ここからここまでという線が地面に引いてあるわけではありません。
徒歩時間で決める人もいれば、生活圏で考える人もいます。
さらに、「誰にとっての近所か」でも範囲は変わります。
境目がはっきりしない言葉でも、自分がどこで線を引いているかを見ることはできます。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 最初 | なんとなく「近所」は分かる |
| 場所を並べたあと | 近所/違う/迷うに分かれた |
| 境目を探したあと | 徒歩○分など自分の基準が見えた |
| 人を変えたあと | 同じ場所でも判断が変わった |
| 最後 | 自分なりの「近所」の範囲を言葉にした |
記憶学で見ると?
言葉は、例と一緒に持つと意味の範囲をたどりやすい
「近所」という言葉だけでなく、「家の前のコンビニは入る」「駅前は迷う」といった具体例と一緒に持つと、その言葉を自分がどう使っているか思い出しやすくなります。
他には……
- 似ている例と違う例を並べると、区別の手掛かりができる: 「ここまでは近所」「ここからは違う」という例が、言葉を使うときの目印になります。
- 自分の経験が、言葉の意味の持ち方に影響することがある: 普段歩く範囲や生活圏によって、「近所」と聞いて思い浮かべる場所は変わります。
脳のOSで見ると?
境界理解(理解OS 第11章)
「近所」のように、はっきりした線が最初からない言葉でも、「どこまでは入る?」「どこから迷う?」と見ていくと、自分が使っている境目が見えてきます。
他には……
- 定義理解(理解OS 第1章): 「近所」という言葉を自分はどう使っているか確かめる。
- 比較理解(理解OS 第7章): 複数の場所を並べ、どこが違うかを見る。
- 多角的視点(思考OS 第13章): 子どもや大人など、立場を変えて境目を見る。
- 再定義(理解OS 第25章): 最初の感覚をもとに、自分なりの「近所」を言い直す。
もう一度だけ
次は、
「高い買い物」
について、
1,000円
5,000円
1万円
5万円
10万円
のどこから「高い」と感じるか考えてみてください。

