
これだけ覚えよう
- 目だけで覚えにくいなら、別のやり方も一緒に使ってみる。
- 読む、声に出す、書く、図にする、手を動かすなど、同じ内容に違う入り口を作る。
- たとえば英単語なら、「見る+言う+書く」のように組み合わせられる。
- 感覚を増やせば必ず覚えられる、という意味ではない。内容に合う方法を足すことが大切。
- 一つの覚え方で入らなければ、別の入り口を試してみる。
出席を取る
海の記憶は、波の音と、潮の匂いと、足の裏の砂の熱さと、一緒に残っている。
だから何年たっても、揃って戻ってくる。
思い出の中の海があれほど鮮明なのは、五感の全員がその場にいたからだ。
物語を足し、映像を足し、声を足してきた。ここは、その総仕上げである。
机の上の勉強がすぐ消えるのは、目しか出勤していないからである。
感覚が増えれば、手繰り寄せる糸が増える。
声に出し、手で書き、図にして、歩きながら唱えた記憶には、いくつもの入口が残る。
ひとつが使えない日でも、別のところから戻ってこられる。
本番で「出てこない」への保険は、結局、手がかりの数である。
意外な参加者を、ひとり紹介したい。
足である。
座って覚えるより、歩きながら唱えるほうが入りやすい。そういう感覚を持っている人は多い。
軽く体を動かすと、頭の働きが少し上がるとも言われている。
それに、歩けば景色が変わる。覚えた言葉が、曲がり角や坂の途中と結びつくことがある。
部屋の中でもいい。うろうろしながら、ぶつぶつ言いながら。
行儀は悪いが、参加者は多い。
最後に、いちばん忘れられている感覚を。
匂いである。
匂いの記憶は、理屈を飛び越えて、一瞬で時間を巻き戻すことがある。昔の教室。祖父母の家。
あの直通の通り道を、勉強に使う人もいる。
この教材のときはこの香り、と決めておいて、本番の朝にも同じ香りを使う。
効き方には個人差があるらしい。合う人には、その時間へ戻るしおりになる。
今日の勉強に、出席を取ってみてほしい。
目。……はい。
口。耳。手。足。鼻。
欠席が多いほど、その記憶は一本道である。
海の日のように、何人か連れていく。
束C しまい方
入ったはずなのに、出てこない。量が多すぎるのか。棚がないのか。似たものと混ざったのか。順番を置く場所がないのか。ここでは、記憶のしまい方を整える。
この考え方を普通の言葉で読む
→ 解説版で読む

