
テストで難しそうな問題を見つけたとき、最初に取り組みますか。それとも、すぐにできる問題から解きますか。どちらか一方がいつでも正解というわけではありません。テストで点数を取りたいときと、家で新しい力を身につけたいときでは、目的が違うからです。
問題の順番を決めるのは、気分だけの話ではありません。「時間」「得られるもの」「途中でやめる条件」を分けて考えると、理由を説明できます。
試験中は「得点」と「制限時間」がある
架空の40分テストで、A問題は5点で5分、B問題は8点で20分、C問題は6点で5分、D問題は10点で20分かかると予想したとします。全部解こうとすると50分ですから、時間内には終わりません。
もし予想どおり解けると仮定すれば、AとCを先に解くと10分で11点分を確保できます。残り30分でBかDを考える時間が残ります。一方、Dから始めて20分使い、その後Bで20分使うと、AとCに触れないまま終わる可能性があります。
しかし、配点÷時間だけで順番を自動的に決めるのも危険です。難しい問題は予想どおり解けないかもしれませんし、途中まで正しく進めば部分点がもらえる場合もあります。実際の試験では問題の難しさと自分の得意不得意を見極める必要があります。
「点数が高い問題」と「得な問題」は同じではない
B問題が8点でも、解ける見込みが低いと感じるなら、その問題へ20分を使う価値は他の問題と比べる必要があります。A問題は5点でも、ほぼ確実に解けるなら短時間で得点を確保できるかもしれません。
ただし、正答率を数字で正確に見積もるのは難しいので、「この問題なら8割解ける」などと自信満々に書いた数字を事実扱いしない方がよいでしょう。解けた過去の経験を手がかりにしつつ、迷ったら先へ進める判断も必要です。
また、テストには見直しの時間も必要です。40分すべてを初回の解答に使うと、計算ミスを確認する余裕がなくなります。何を最優先にするかはテストの性質によって変わります。
家の勉強では「今は解けない」が価値になる
一方、家で時間を区切らず練習するときには、難しい問題へ取り組む意味が変わります。解けなかった場所が分かれば、次に必要な知識や考え方を見つけられるからです。
例えば一次方程式の基本問題をすらすら解ける人が、同じ型を20問繰り返しても、新しく伸びる部分は少ないかもしれません。少し複雑な文章題を一問解き、「何を文字に置くか」で迷ったなら、そこが練習すべき場所だと分かります。
ただし、難しすぎる問題に長時間向き合い続けることが常に良いとは限りません。問題文の意味も分からないなら、必要な基礎へ戻った方が進むこともあります。難しい問題を選ぶ目的は、自分を苦しめることではなく、次に学ぶ部分を見つけることです。
「何分考えたら次へ行く?」を先に決めておく
試験中に一つの問題へこだわりすぎると、ほかの問題に取り組む時間がなくなります。その対策として、問題を読む時点で「ここまで考えて進まなければ印を付けて次へ行く」と決めておく方法があります。
例えば、簡単そうに見える問題なら3分考えて手がかりが見つからなければ次へ進む。長い説明が必要な問題なら、最初に構成をメモしてから時間を配分する、といった具合です。この3分はすべての試験に共通の正解ではありません。試験全体の時間、配点、問題形式によって調整します。
「途中でやめる」はあきらめと同じではありません。あとから戻って再挑戦するために、一時的に順番を変える行動です。
実験:同じ4問の順番を変える
紙に四つの架空の問題を書きます。Aは予想5分・5点、Bは予想20分・8点、Cは予想5分・6点、Dは予想20分・10点です。制限時間を30分として、「どの組合せで何点分へ取り組めるか」を考えます。
A+C+Dなら5+5+20=30分、21点分。A+C+Bなら30分で19点分です。D+Bは40分なので時間内にはできません。この計算だけなら前者が有利に見えます。ただし最初に問題を見渡すために3分使うなら、実際に解答へ使えるのは27分です。A+C+Dの予想合計30分は収まらず、別の組み合わせを選ぶ必要があります。問題を解く時間だけでなく、問題を読む時間や見直しの余裕を最初から配分に入れておきましょう。でもDが予想より難しく、25分かかったら、最後の問題が終わらないかもしれません。
ここで予想時間を変えてみます。Cが10分かかるなら、A+C+Dは35分です。選び直す必要があります。順番の正しさは、時間の見積もりという条件に依存することが分かります。
間違いの振り返りでは順番も記録する
試験後には、正解・不正解だけでなく、取りかかった順番も振り返ってみましょう。「簡単な問題を飛ばした」「難問に時間を使いすぎた」「最後に見直しができなかった」といった事実があれば、知識だけでなく配分の改善点が見えてきます。
ただし、一回のテストでうまくいかなかったからといって、次回から必ず逆の順番にすべきとは限りません。出題内容や体調、緊張が違うかもしれないからです。自分に合う順序は、練習問題でも試し、条件を確かめながら調整していきます。
どこを見れば「難しさ」を早めに判断できる?
問題文を一度ざっと読み、何を求めているか、使えそうな条件があるか、計算の長さはどれくらいかを見ます。選択肢問題なのか記述式なのか、解答までの作業量も違います。すべての問題を最初から丁寧に解いて難しさを測ろうとすると、測ること自体に時間を使いすぎます。試験開始直後に全体へ目を通すことは、時間配分を決める材料になる場合があります。ただし、試験の規則や問題の形式に従うことが前提です。
まとめ
試験中は限られた時間で得点を取り、家での学習ではできない部分を見つけることが大切です。同じ難問でも、目的が違えば取り組む順番が変わるのは自然なことです。配点、時間、解ける見込み、学びたい内容を分けて考え、自分で順番を選べるようにしましょう。

