第7回|昨日の帰り道、後ろからたどると何が変わる?

順番を変えて、自分の思い出し方を見る3分実験

「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。

昨日、家に帰ったときのことを思い出してください。

まずやってみる

1.普通の順番で3〜5個

家に着くまでを、いつもの時間の順番で書いてください。

2.今度は、家から逆に戻る

家に着いた
その一つ前は?
そのさらに一つ前は?

と、逆向きに3〜5個たどってみてください。

3.最初にはなかったものが出た?

逆から考えたとき、

場所
人
音
出来事

など、最初には書かなかったものが出たか見てください。

何も増えなくても大丈夫です。それも今回の結果です。

4.どちらが思い出しやすかった?

前からと後ろからで、

出てきた内容
思い出しやすさ

に違いがあったか比べてみてください。

ここから種明かし

同じ帰り道でも、考え始める場所を変えてみました。

今回の目的は、

逆から思い出す方が優れている

と決めることではありません。

前からと後ろからで、自分の答えが変わるかを実際に確かめることです。

ここまでの答えを見比べてみよう

<見るところ> <たとえば>
普通の順番 学校→駅→家
逆向き 家→交差点→駅→学校
新しく出たもの 出た/出なかった
思い出しやすさ 前の方が楽/後ろの方が楽/同じ
変わったところ 同じ出来事を別の順番からたどった

記憶学で見ると?

思い出すときは、一つの道しか使えないわけではない
出来事には、場所や時間、前後の出来事など複数の手掛かりがあります。いつもの順番とは違うところからたどると、使う手掛かりが変わることがあります。

他には……

  • 見直すのではなく、自分で取り出してみる: どこまで自力で出せるかを確認できます。
  • 結果に個人差があってよい: 前からの方が出る人、後ろからでも変わらない人など、自分の結果を見る実験です。


脳のOSで見ると?

メタ認知(思考OS 第14章)
前からと後ろからのどちらで何が出たかを比べ、自分の頭がどう動いたかを観察します。成功条件は「多く思い出すこと」ではなく、違いを見つけることです。

他には……

  • ストーリー化(理解OS 第21章:順序を組み替える): 同じ帰り道を、逆の順番で並べ直す。
  • 構造分解(理解OS 第12章): 一つの帰り道を、いくつかの場面に分ける。
  • 仮説と検証(思考OS 第3章:確かめる): 「順番を変えると答えも変わるか」を自分で確かめる。
  • 部分→全体(理解OS 第14章): 一つ一つの場所から、帰り道全体をたどり直す。

もう一度だけ

次は、

「今日、起きてから今まで」

を、今この瞬間から逆向きに3〜5個たどってみてください。

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