
これだけ覚えよう
- やりたい行動の前に、「これが起きたら始める」という合図を置く。
- 「歯を磨いたら単語を見る」「コーヒーを入れたら手帳を開く」のように決める。
- 「いつかやる」ではなく、「○○したら、△△する」の形にする。
- 合図には、歯磨き・朝食・帰宅など、すでに毎日起きていることを使うと組み込みやすい。
- 行動を思い出せるかに任せず、思い出すきっかけを先に作っておく。
梅干しを、思い浮かべる。
それだけで、
口の中に唾が湧いてくる。
酸っぱさは、
まだどこにも
来ていないのに、
体は先に返事をしている。
誰の許可も、待たずに。
体は、合図ひとつで
動き出す。
スマホを触るのも、
意志が弱いからではない。
目の端で、通知が光った。
手が、伸びた。
それだけのことだ。
行動の前には、
いつも何かの合図がある。
だとすれば、
行動そのものと格闘するより、
合図の方を設計した方が、
早い。
トリガー設計とは、
行動の合図を、
偶然に任せず、
自分で仕掛けておくことである。
■「〜したら、〜する」
道具は、
ひとつしかない。
「〜したら、〜する」
という文である。
歯を磨いたら、
単語を五個見る。
コーヒーを淹れたら、
手帳を開く。
昼休みが終わったら、
まず五分だけ書く。
あらかじめこの形で
決めておくことは、
実行を助ける方法として、
研究でも確かめられている。
たった一文なのに、
なぜ効くのか。
■荷物に、便を割り当てる
「いつかやろう」は、
どの便にも
載っていない荷物である。
積まれないまま、
倉庫で年を取っていく。
「歯を磨いたら、やる」
と決めた瞬間、
荷物は毎朝の便に積まれる。
あとは、脳が運ぶ。
歯を磨いていると、
勝手に思い出す。
……あ、単語だ。
やるかどうかを
その場で考えるのではなく、
考える仕事を、
前の日までに済ませておく。
本番のあなたは、
荷物が届くのを
待つだけでいい。
■走っている列車に、つなぐ
合図には、
とっておきの選び方がある。
すでに毎日
起きていることを、使うのだ。
歯磨き。
朝のコーヒー。
帰宅して、靴を脱ぐ。
これらは、
何年も何十年も
走り続けている
定時列車である。
遅れない。
運休しない。
新しい習慣を
ゼロから走らせるのは
大変だが、
走っている列車に
一両つなぐのは、簡単だ。
靴を脱いだら、
かばんから本を出して、
机の上に置く。
それだけの一両でも、
列車は明日も、
あさっても、
運んでくれる。
■仕掛ける側へ
梅干しに、
唾を我慢できる人はいない。
合図を出されたら、
体はそのくらい
素直に動く。
その素直さは、
逆らう相手ではない。
仕掛ける側に回った日から、
いちばんの味方になる。
寝る前に、一つだけ
文を作ってみてほしい。
「〜したら、〜する」。
明日のあなたの一日に、
小さな一両が
連結されて待っている。
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