感情OS 第20章|習慣化

これだけ覚えよう

  • 毎回「やるかどうか」を考えなくても始められる形を作る。
  • 歯磨きのように、同じ時間や場所で同じことを繰り返すと、始めるきっかけを作りやすい。
  • 「朝食のあと、この椅子で10分読む」のように、いつ・どこで・何をするかを決めておく。
  • 休む日があってもいい。大切なのは、「もう終わり」にせず、また戻れるようにしておくこと。
  • 続ける力だけに頼らず、続けやすい形を先に作る。

今夜もあなたは、
歯を磨く。

やる気を出してから
磨く人は、いない。

洗面所の鏡の前に立つと、
手が先に、
歯ブラシへ伸びている。

磨こう、と決めた
記憶さえない。

決意も、ご褒美も、
気合も要らない行動が、
毎晩、確実に起きている。

行動の最上級は、
頑張れることではない。

頑張りが
要らなくなることである。

習慣化とは、
意志の力を使わずに
行動が起きる仕組みを、
作ることだ。

■意志を、電池にたとえる

なぜ、意志に
頼り切らない方がいいのか。

意志を、電池に
たとえると分かりやすい。

朝より夜のほうが、
同じ判断や我慢を
重く感じる日はある。

ただし、
本当に電池のように
一定量が減っていくと
分かっているわけではない。

だからここでは、
仕組みではなく、
比喩として使う。

毎回その場で
やるかどうかを決める計画は、
疲れた日に崩れやすい。

習慣になった行動は、
毎回いちから決める場面を
減らしてくれる。

だから疲れた日でも、
始まりやすくなる。

洗面所のあなたが、
その景色に近い。

■同じ時間、同じ場所

習慣の作り方は、
派手ではない。

同じ時間に、
同じ場所で、
同じことをする。

それだけだ。

朝食の後、
この椅子で、
十分だけ読む。

これを繰り返していると、
椅子に座ること自体が、
だんだん合図になっていく。

鏡の前に立つと
歯ブラシに手が伸びるのと、
同じ回路である。

日によって時間も場所も
ばらばらだと、
脳は毎回、
やるかどうかを
会議にかける。

会議を開くたび、
また決める必要がある。

固定してしまえば、
その会議は減っていく。

椅子に座った体が、
先に始めている。

■戻る日を、先に置く

続けていれば、
休む日は来る。

熱を出す。

急な用事が入る。

どうしても無理な夜がある。

それでいい。

大事なのは、
休んだことより、
戻る日が消えないことだ。

そこで、
自分用の目印を
ひとつ置いておく。

休んでいい。

できるなら翌日は、
一行でも、
一回でもいいから、
列に戻る。

これは、
習慣についての
絶対の法則ではない。

戻る日を
先に決めておくための、
小さな目印である。

列に戻ること自体を、
その日の仕事にしていい。

■静かな夜

今夜も、
世界中の洗面所で、
人が歯を磨いている。

誰ひとり、頑張っていない。

歯を磨けるなら、
あなたの脳には、
頑張らずに続ける回路を
作る力が、もうある。

あとは同じ回路を、
歯以外のことにも、
一つずつ増やしていく。

明日の朝食の後、
どの椅子で、
何を十分やるか。

それを決めるところから、
静かな自動運転は始まる。


おすすめの記事