
「5分でもいいからやればいいのに」
勉強を始めない子を見ていると、そう思うことがあります。
問題集を開くだけなら数秒です。
一問だけなら、それほど時間もかかりません。
それでも、なかなか始めない。
そんなときは、「最初の5分」ではなく、その後に何がくっついているかを見てみてもいいかもしれません。
始める前に、もう30分を背負っている
本人の中で、
- 問題集を開く
- 30分は続ける
- 途中でやめない
- 今日の10問を終える
- 分からない問題も残さない
ここまでが一つにつながっていたら、最初の一問はそれほど小さくありません。
「問題集を開く」という数秒の行動が、
この先30分の自分を拘束すること
になっているからです。
一度入ったら何か買うまで出られない店は、少し入りにくい。
見るだけで帰っていい店なら、入りやすい。
勉強でも、出口があるかどうかは、終わるときだけでなく、始める前にも効きます。
目標と「抜けられなさ」は別にできる
20問を目標にすること自体は問題ありません。
でも、
20問を目指す
ことと、
20問終わるまでやめられない
ことは別です。
たとえば、
- 5問終わったら、続けるか一度決めていい
- 難しい問題は10分考えたら保留していい
- 予定と合わなくなったら、翌日の計画を組み直していい
という地点を作ることができます。
目標を小さくする必要はありません。
「途中でもう一度選べる」と分かっているだけで、入口の重さが変わることがあります。
「5分だけ」は、本当に5分でやめてもいい?
ここはかなり大事です。
「5分だけでいいよ」と言われて始めたのに、5分後にやめようとすると、
「え、もう終わり?」
と言われる。
これが何度か続くと、「5分だけ」という言葉そのものを信用しにくくなります。
5分のつもりで始めても、結局その先まで求められると分かっているからです。
5分でいいと言うなら、5分で終わってもそれでいい。
もう少しできそうなら、そのとき続ければいい。
最初から、その先まで約束させない。
その方が、「ちょっとだけ始める」という選択肢を残しやすくなります。
始めないとき、やる気以外にも見る場所がある
勉強を始めないと、
「やる気がない」
「面倒くさがっている」
と見えやすいものです。
もちろん、そういう場合もあります。
ただ、
始めたら、この子は何を最後まで引き受けることになっているのか
を見てみると、別の理由が見つかることがあります。
5分が重いのではなく、
5分の後ろにある30分や10問や「途中でやめてはいけない」が重い。
そんな場合は、入口だけ小さくするより、
途中で選び直せる場所を残す
方が効くかもしれません。


