
抽象的な言葉に、例を一つ置いてみる3分実験
こんな説明があります。
「準備する」とは、あとで困らないように先に整えておくことです。
意味は分かります。
では、例を一つ入れてみます。
まずやってみる
1. 元の説明を読む
「準備する」とは、あとで困らないように先に整えておくことです。
この説明から、どんな場面を想像しましたか?
2. 例を一つ置く
たとえば、明日の朝に慌てないよう、前の晩に学校の持ち物をかばんへ入れておくことです。
かなり分かりやすくなりました。
3. でも、例だけにしてみる
前の晩に学校の持ち物をかばんへ入れておくことです。
これだけだと、
準備=学校の持ち物を入れること
のようにも見えます。
4. 別の例を一つ足す
ほかにも、旅行の前に予約を確認したり、雨が降りそうなら傘を用意したりすることも準備です。
例が増えると、「準備」の範囲が少し広がります。
ここから種明かし
例は、抽象的な言葉を具体的に見せる力があります。
一方で、例が一つしかないと、
その例そのものが意味だと誤解される
ことがあります。
今回は、
例が意味を分かりやすくすると同時に、意味を狭く見せることもある
という実験でした。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 抽象説明だけ | 範囲は広いが、少し掴みにくい |
| 例を一つ置く | 一気に具体的になる |
| 例だけにする | その例が定義のように見えることがある |
| 別の例を足す | 共通する意味が見えやすくなる |
文章で見ると?
例は、説明を助けるが、説明そのものではない
例はとても強い道具です。
でも、
例=意味
ではありません。
一つの例だけで説明すると、読み手がその例に引っぱられることがあります。
だから、
- 抽象説明+例
- 例を二つ以上
- 例のあとに共通点を戻す
という方法が使えます。
記憶学で見ると?
抽象的な情報に具体例が付くと、既に知っている出来事や場面と結びつけやすくなります。
このとき大切なのは、
例そのものだけを覚えて、元の意味を失わないこと
です。
複数の例から共通点を見ると、より抽象的な意味へ戻りやすくなります。
脳のOSで見ると?
例示理解
抽象的な意味を、一つの具体例で見える形にしました。
他には……
- 具体⇄抽象変換: 抽象説明から具体例へ行き、また共通点へ戻る。
- 境界理解: どこまでが「準備」に入るかを見る。
- 本質抽出: 複数の例から共通部分を取り出す。
- 誤解修正: 例そのものを定義だと思わないようにする。
もう一度だけ
次の言葉を、一つの例だけで説明してみてください。
「工夫する」
そのあと、
その例だけで「工夫」の全部を表せている?
と確認してみてください。

