第2回|「りんご」から、何が思い出せる?

言葉だけでなく、色や味からも考えてみる3分実験

「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。

「りんご」と聞いたら、何を思い浮かべますか?

まずは普通に考えてみましょう。

まずやってみる

1.「りんご」から5個

「りんご」と聞いて思いつくものを、30秒で5個書いてください。

2.今度は、感覚から考えてみる

さっきとは違う考え方をしてみます。

色なら?

どんな色を思い浮かべる?

味なら?

甘い? 酸っぱい?

においなら?

切ったりんごのにおいは?

手触りなら?

持ったとき、どんな感じ?

音なら?

かじったとき、どんな音がする?

全部答えなくても構いません。

この中から2つくらい選んで、思いついたことを書いてください。

3.自分の経験につながるものを一つ選ぶ

ここまでに出したものの中から、自分の経験につながりそうなものを一つ選んでください。

たとえば、

家で切って食べたりんご
給食に出たりんご
りんご狩り
風邪をひいたときに食べたりんご

などです。

選んだものについて、答えやすいものを2つくらい考えてみてください。

どこだった?
誰かいた?
何が見えた?
どんな味だった?
どんな気持ちだった?

4.30秒で説明してみる

今思い出したことを、誰かに話すつもりで30秒くらいにまとめてください。

声に出しても、書いても構いません。

ここから種明かし

最初は、

赤
果物
青森
バナナ
ジュース

のような言葉が出たかもしれません。

ところが、

「味なら?」
「においなら?」

と考えてみると、

少し酸っぱかった
切ったときの甘いにおい
シャキッとした食感

のように、思い浮かぶ内容が変わることがあります。

さらにそこから、

給食で食べたりんご
家族で行ったりんご狩り

のような自分の経験につながることもあります。

「りんご」という一つの言葉でも、言葉だけで考える場合と、色・味・においなどから考える場合では、思い浮かぶものが同じとは限りません。

一つのものを、いくつかに分けて見る

普段は「りんご」を一つのものとして見ています。

でも今回は、

色
味
におい
手触り
音

と分けてみました。

すると、

「りんごについて何か考えて」

では出なかったものが、

「味は?」

なら出てくることがあります。

一つのものを細かく分けて見ることで、考えられるところが増えます。

ここまでの答えを見比べてみよう

<見るところ> <たとえば>
最初の5個 赤、果物、青森
感覚から考えたあと 甘いにおい、酸っぱい味、シャキッとした音
自分の経験につなげたあと 給食、りんご狩り、家で食べた日
細かくしたあと 場所、人、味、気持ちまで思い出した
30秒にしたとき 話すものを選んでまとめた

記憶学で見ると?

一つの情報に、複数の特徴を結びつける
「りんご」という言葉だけでなく、色・味・におい・手触り・音なども一緒に扱います。複数の感覚を使えば必ずよく覚えられる、という意味ではありませんが、同じ情報を違う特徴から扱えるようになります。

他には……

  • 自分の経験と結びつける: 給食やりんご狩りなど、自分が経験した場面までつながると、一般的な「りんご」と自分の記憶を分けて見られます。
  • 「見れば分かる」と「自分で出せる」は違う: 最後に30秒で説明し、見本なしでどこまで出せるか確かめます。


脳のOSで見ると?

構造分解(理解OS 第12章)
一つの「りんご」を、色・味・におい・手触り・音などに分けて見ます。「りんごについて考えて」では出にくいものでも、見る場所を細かく分けると考えやすくなります。

他には……

  • 全体→部分(理解OS 第13章): 一つのりんごから、それを作っている特徴へ降りる。
  • イメージ化(理解OS 第19章): 言葉だけでなく、色や形、食べた場面として捉える。
  • 具体⇄抽象変換(理解OS 第3章:具体へ降りる): 「りんご」から「給食で食べたりんご」のような具体的な場面へ進む。
  • 選ぶと捨てる(思考OS 第10章): 最後に話す内容を、思い浮かんだものの中から選ぶ。

もう一度だけ

次のお題は、

「カレー」

です。

今度は、

  1. 「カレー」から5個
  2. 味・におい・色・音などから考える
  3. 自分の経験につながるものを一つ選ぶ
  4. 少し細かくする
  5. 30秒でまとめる

までやってみてください。

「りんご」のときとは、何が思い浮かんだでしょうか。

今日の実験はここまでです。

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