
ひし形の面積は、
で求められます。理由は、二本の対角線が垂直に交わり、それぞれ真ん中で二つに分かれるため、4つの直角三角形として面積を考えられるからです。小5では文字式に置き換えるより、具体的な長さと図で「÷2」が出る理由をつかみます。
まず対角線を二本引く
ひし形の向かい合う頂点どうしを結び、二本の対角線を引きます。
ひし形の対角線は直角に交わり、交点でそれぞれ二等分されます。
たとえば、対角線が8cmと6cmなら、交点から頂点までの長さはそれぞれ4cmと3cmです。
4つの直角三角形に分ける
対角線8cm、6cmのひし形を考えます。
対角線で分けてできる直角三角形一つは、底辺4cm、高さ3cmとして、
cm²です。
同じ面積の三角形が4つあるので、
cm²になります。
公式で計算しても24cm²になる
二本の対角線全体を使うと、
です。
三角形4つで考えた答えと同じです。
だから、ひし形の面積は
で求められます。
なぜ「÷2」が必要なのか
対角線8cmと6cmをそのまま掛けると48になりますが、それはひし形の面積の2倍です。
ひし形を二つ組み合わせると、対角線8cmと6cmを縦・横の長さに持つ長方形と同じ面積になるように並べ替えて考えられます。
そのため、ひし形一つ分は半分です。
辺×辺では求められない
ひし形は四つの辺の長さが同じですが、辺の長さを二回掛ければ面積になるとは限りません。
同じ長さの辺を持っていても、横につぶれたひし形と正方形に近いひし形では面積が違います。
面積を決めるには、辺の長さだけでなく形の開き方や高さが関係します。
底辺×高さでも求められる
ひし形は平行四辺形の仲間なので、底辺と高さが分かっていれば
でも面積を求められます。
対角線が分かっている問題では「対角線×対角線÷2」、底辺と高さが分かっている問題では「底辺×高さ」と、与えられた情報に合わせて選びます。
よくある誤り1:÷2を忘れる
対角線が10cmと4cmなら、
で終わりではありません。
なので、面積は20cm²です。
「対角線二本を掛けた長方形の半分」と確認すると忘れにくくなります。
よくある誤り2:半分の長さを対角線全体と思う
交点から頂点までが4cmと3cmと書かれていたら、それは対角線全体の半分です。
対角線全体は8cmと6cmなので、公式へ入れるのは8と6です。
図に「半分」「全体」と書き分けます。
練習:面積30cm²、片方の対角線10cm
もう一方の対角線を□cmとします。
まず2倍して考えると、
です。
したがって、
もう一方の対角線は6cmです。
小5では、分からない数をaやxへ置き換えなくても、□を使って逆算できます。
この公式をどんな四角形にも使わない
対角線×対角線÷2は、対角線が直角に交わるというひし形の性質を使っています。
一般の四角形に対して、対角線が二本あるという理由だけで同じ公式を使うことはできません。
図形の名前ではなく、どの性質を使って面積を作ったかを確認します。
正方形とのつながりを見る
正方形も四つの辺が等しいので、ひし形の仲間と考えられます。
正方形では「一辺×一辺」でも面積が求められますが、対角線が分かっていれば、ひし形と同じ考え方で面積を求めることもできます。
一つの図形に一つの公式しかないわけではありません。
対角線の交点は図の中心になる
ひし形の二本の対角線は、交点でそれぞれ半分になります。そのため、対角線に沿って分けた4つの三角形は、面積を考えるとき同じ底辺・高さの組を使えます。
「交点から先が半分になる」という性質を図に書き込むと、対角線全体と半分の長さを取り違えにくくなります。
次は公式を図から復元する
公式を忘れたら、対角線を二本引きます。
そして、
- 二本が直角に交わる
- それぞれが半分になる
- 直角三角形4つに分かれる
と確認します。
具体的な長さで三角形一つの面積を出し、4つ分へ戻すことができれば、公式を丸暗記しなくても復元できます。
参考資料
- 文部科学省「小学校学習指導要領・解説」



