上達している途中が、続ける理由になる

ゲームでは、まだ上手ではないのに続けたくなることがあります。

全部できるわけではない。

まだ負ける。

でも、

  • 昨日より少し避けられる
  • 前より地図が分かる
  • 相手の動きが読める

ようになっている。

ここで大事なのは、

「できる」ことと、「できるようになっている」ことは同じではない

という違いです。


成功することと、上達していることは同じではない

すでに簡単にできることは、成功率が高くても新鮮さが減ります。

逆に、何度やっても全く伸びない課題にも戻りにくい。

その間に、

今ちょうど自分が上手くなっている

という状態があります。

研究では、learning progressを含むモデルが、自発的にどの課題を選ぶかを説明する材料になった例があります。

だから、単純な「成功体験」だけではなく、

進歩している感覚

を見る価値があります。


ゲームでは、小さな上達がいくつもある

ゲームの上達は、一つの数字だけではありません。

たとえば、

  • Aimが少し合う
  • 回避が早くなる
  • Mapを覚える
  • 相手の癖を読む
  • 味方の位置を見る
  • 装備を選べる
  • Skillを使う順番が分かる

一つできるようになると、次の違いが見えてきます。

つまり、上達は、

Goalへ近づくだけ

ではありません。

それまで見えていなかった細かな課題が見えるようになることでもあります。


上達すると、背景だったものが情報になる

初心者のときは、ゲーム画面がごちゃごちゃして見えることがあります。

  • 敵
  • 味方
  • 地形
  • 音
  • 数字
  • Effect

初心者には、それらが全部一度に来るように見えることがあります。

でも慣れてくると、

  • この音は敵が近い
  • この地形は不利
  • 味方がここにいるなら自分はこっち
  • 相手の動きから次の行動が読める

というように、以前は背景だったものが意味を持ち始めます。

熟達者と初心者ではvisual searchの仕方が異なるという研究や、perceptual learningの研究ともつながる話です。

上達とは、

同じ世界から読み取れる情報が増えること

でもあります。


分かるようになると、次に伸ばす場所も見える

最初は、

何が分からないのかも分からない

ことがあります。

少し分かると、

  • 自分はここが遅い
  • この場面の判断が弱い
  • 次はここを練習したい

と、次の課題が見えます。

すると、

  1. 上達する
  2. 世界が少し分かる
  3. 新しい違いが見える
  4. 次に伸ばす場所が見える
  5. また試す

という循環が生まれます。


勉強でも「見えるものが増える」は起きる

これはゲームだけの話ではありません。

数学が分かってくると、式の形を見て、

この問題はあの型に近い

と気づけるようになります。

歴史が分かると、年号の列ではなく、出来事同士の因果が見えてきます。

文章が読めるようになると、接続語や段落構成が情報になります。

つまり勉強でも、

背景だったものが情報になる

ことは起こります。


問題は、その循環が立ち上がる前に切れることがあること

勉強では、

  1. 分からない
  2. でも授業は進む
  3. さらに分からない
  4. 上達している感覚がない

となることがあります。

この状態で、

成功体験を作ればいい

と単純化すると、少し足りません。

重要なのは、

  • 前より何が見えるようになったか
  • 前より何ができるようになったか

が本人にも分かることです。


「難易度が合えば必ず集中できる」とは言わない

ゲームの話では、

SkillとChallengeが釣り合えばFlowに入る

という説明がよく使われます。

ただし、客観的な難易度を操作しただけでは、楽しさや没頭に明確な差が出なかった事前登録研究もあります。

だからこの記事では、

× 難易度を合わせれば全部解決する

とはしません。

難易度は一要素です。

中心は、自分が伸びている途中を感じられるかに置きます。


「ゲームには集中できるのに」で終わらない

同じ子がゲームでは長く続け、勉強では止まる。

そのとき、

ゲームには集中力があるのに、なぜ勉強では出せないのか

だけで終わると、人物の能力の話に戻ってしまいます。

代わりに、

  • その対象では、自分が伸びていると分かるか
  • 前には見えなかったものが見えるようになっているか
  • 次に伸ばす場所が見えているか

を見る。

この3つが揃うと、「続ける理由」を別の角度から考えられます。


GAME-03との違い

GAME-03は、

一回の失敗 → 次の一回

を扱いました。

この記事は、

数回〜数十回の挑戦 → 上達の蓄積

を扱っています。

似ていますが、時間の幅が違います。

→ GAME-03:負けても終わらない|失敗のあとに「次の一手」が残るか


研究について

learning progress、熟達者のvisual search、perceptual learningなどの研究は、上達に伴って行動や知覚が変わることを考える材料になります。

ただし、

  • 「成功体験より進歩体験」
  • 「背景だったものが情報になる」
  • 上達すると次の上達余地が見える循環

という表現は、このサイト側の分析・統合です。


シリーズ内リンク: 入口|オンラインゲーム入門 / 前|GAME-03 失敗から次の一回 / 次|GAME-05 ゲーム時間と勉強時間



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