保護者向けオンラインゲーム入門|用語と仕組みを先に知る

「ゲームをやめなさい」と言う前に、そもそも子どもが遊んでいるゲームの中で何が動いているのか。

今のオンラインゲームには、試合そのものとは別に、デイリー、ウィークリー、シーズン、ランク、ミッション、報酬、バトルパスなど、いくつもの仕組みが重なっています。

ゲームをしない大人から見ると、全部ひとまとめに「ゲーム」に見えます。

でも、子ども側では、

  • 今の試合
  • 今日のミッション
  • 今週の目標
  • シーズンの進行
  • ランク
  • 期間限定の報酬

が別々に動いていることがあります。

この記事では、ゲームを良い・悪いで評価する前に、後の記事を読むための共通知識だけを整理します。


Match|1回の対戦・プレイ単位

オンラインゲームでは、一つの「試合」や「ステージ」が最小の区切りになることがあります。

勝敗がついた。ステージをクリアした。

ここだけを見ると、ゲームは一度終わったように見えます。

ただし、今のゲームでは試合の終了と、その日のゲーム内目標の終了は同じとは限りません。

試合が終わった後にも、別の進捗が残ることがあります。


Mission / Quest|「次にやること」を示す目標

MissionやQuestは、

  • 3回プレイする
  • 特定の敵を倒す
  • ある条件で勝つ
  • アイテムを集める

といった、小さな目標です。

「何をすればいいか」が画面上に見えるため、次の行動が分かりやすくなります。

ゲームによって内容や呼び方は違います。


Daily / Weekly|今日・今週の目標

Dailyは毎日、Weeklyは週ごとに更新される課題や報酬です。

重要なのは、単に「毎日ログインさせる仕組み」と決めつけないことです。

研究上、Daily Questの設計とプレイヤーの動機づけを調べた研究はありますが、Dailyを置けば長期的な継続率が必ず上がるとまでは言えません。

ここでは、

  • 今日のうちに終える目標
  • 今週のうちに終える目標

という、異なる時間の区切りがあることを押さえておけば十分です。


Rank / Rating|実力や結果を位置として示す仕組み

RankやRatingは、対戦結果などをもとに現在位置を示す仕組みです。

「あと1勝で次のランク」といった状態になると、一試合とは別に、もう一つの未完了目標ができます。

ただし、ランクの具体的な計算方法や意味はゲームによって大きく違います。


Season|数週間〜数か月の大きな区切り

Seasonは、一定期間を一まとまりとして扱う仕組みです。

シーズンごとに、

  • ランクが切り替わる
  • イベントが変わる
  • 報酬が変わる
  • 新しいコンテンツが追加される

ことがあります。

ゲームの更新がプレイヤーの行動に影響し得るという研究はありますが、Seasonという制度単独で「必ず遊ぶ時間が増える」とは断定しません。


Limited Event|今だけのイベント

期間限定イベントでは、

  • 今日まで
  • 今週末まで
  • シーズン終了まで

といった期限が設定されます。

「いつかやる」ではなく、「この期間にやる」という時間条件が加わります。

期間限定イベントは多くのゲームで使われてきた設計ですが、これもイベントを置けば必ずプレイ時間が増えるという意味ではありません。


Battle Pass|一定期間の進捗と報酬を結びつける仕組み

Battle Passは、一定期間のプレイやミッション達成によって段階的に報酬を得る仕組みです。

無料の報酬ラインと、有料で追加報酬を得られるラインが並ぶ場合もあります。

Battle Passの特徴は、「買った瞬間に全部を受け取って終わる商品」とは違い、購入した後にも進める行動が残る場合があることです。

この仕組みは別記事で詳しく扱います。

→ GAME-02:バトルパス|買った後も続く仕組み


Reward / Currency / Skin|報酬にも種類がある

ゲーム内の報酬には、さまざまな種類があります。

たとえば、

  • ゲーム内通貨
  • 見た目を変えるSkin
  • アイコンや称号
  • 装備やItem
  • Emote
  • 次のコンテンツを開くためのポイント

などです。

報酬だから全部同じ、というわけではありません。

能力に関係するものもあれば、見た目だけのものもあります。


Multiplayer / Party / Voice Chat|ゲームは一人で完結しないことがある

オンラインゲームでは、友人とPartyを組んだり、Voice Chatで会話したり、同じTeamで動いたりすることがあります。

そのため、

「ゲームをやめる」

が、本人だけの都合では決めにくい場面もあります。

今抜けると仲間に影響する。試合の途中だから抜けにくい。

こうした社会的な要素も、オンラインゲームを見るときの基本情報です。


「ゲーム時間」だけでは、中で何が起きているか分からない

外から見ると、

2時間ゲームをした

で終わります。

でも中では、

  • Match
  • Rank
  • Daily
  • Weekly
  • Season
  • Event
  • Battle Pass
  • Party

が別々に動いていることがあります。

だから、ゲームについて考えるときは「何時間やったか」だけでなく、

今、ゲームの中で何が途中なのか

を見ると、子どもの行動が少し理解しやすくなります。

次の記事では、この中でも特に、

  • 今日
  • 今週
  • 今シーズン

のように異なる時間軸が重なっている構造を見ます。

→ GAME-01:また来る理由の構造|Daily・Weekly・Seasonはどう重なるのか


このシリーズの立場

このシリーズは、ゲームを悪者にするためのものではありません。

逆に、「ゲームの仕組みを勉強にそのまま移せばよい」と言うためのものでもありません。

まず仕組みを知る。

その上で、

  • 子どもは、何に反応しているのか。
  • 勉強側には、何が足りないのか。
  • 親が変えたいのは、本当にゲーム時間だけなのか。

を考えていきます。


ゲーム研究シリーズを順番に読む



家庭で実際に確認する: ゲームをやめにくくしている5つの仕組みをチェックする

おすすめの記事