また来る理由の構造|Daily・Weekly・Seasonはどう重なるのか

オンラインゲームを見ていると、

「もう試合は終わったのに、なぜまだやるの?」

と思うことがあります。

ここで一つ見落としやすいことがあります。

一試合の終わりと、ゲーム内にあるすべての目標の終わりは同じではありません。

ゲームの中では、数分、今日、今週、今シーズンという異なる時間軸の目標が同時に動いていることがあります。


一つ終わっても、別の「あと少し」が残る

たとえば、

  1. 試合が終わった
  2. あと1勝でランクが上がる
  3. ランクが上がった
  4. Dailyがあと1個
  5. Dailyが終わった
  6. Battle Passがあと2段階
  7. Eventは今日まで

という状態です。

これは「必ずこうなる」という話ではありません。

でも、今のオンラインゲームには、異なる期限と進捗を持つ複数の目標を同時に置ける構造があります。


数分〜数十分|今の試合・あと1回

もっとも短い時間軸は、今のMatchです。

  • この試合に勝ちたい
  • あと1回だけ
  • あと1勝でRank up
  • 次のStageまで

この単位なら、大人から見ても比較的分かりやすい。

問題は、この区切りの外側に、さらに別の区切りがあることです。


今日〜今週|DailyとWeekly

Daily Missionは今日の目標。

Weekly Missionは今週の目標。

更新周期が違うため、

Dailyは終わったがWeeklyは途中

という状態が作れます。

Daily Questの研究では、報酬の与え方や選択可能性、完了feedbackなどがプレイヤーの動機づけと関係した報告があります。

ただし、ここから

× Dailyを置けば長期retentionが必ず高くなる

とは言えません。

この記事で重要なのは、日単位で再発生する目標が存在し得るという構造です。


数週間〜数か月|Seasonと期間限定Event

さらに長い時間軸では、SeasonやLimited Eventがあります。

シーズン終了までにランクを上げる。

期間限定イベント中に報酬を取る。

Battle Passを期間内に進める。

こうなると、

「今日は終わった」

と

「このシーズンではまだ途中」

が同時に成立します。

研究では、大きなゲーム更新の後にengagementが増えた例も報告されていますが、小さな更新では効果が不安定だった例もあります。

つまり、

× 更新すれば何でも効く

という単純な話ではありません。


「やめ時」は、時計だけでは決まらないことがある

親側の時間は、

20時だから終わり

です。

ゲーム側の時間は、

  • あと1勝
  • Dailyあと1個
  • Eventは今日まで
  • Seasonは残り3日

かもしれません。

もちろん、だからゲーム側に合わせるべきだという話ではありません。

ただ、

なぜ今すぐ切り上げにくいのか

を見るときに、経過時間だけではなく、ゲーム内で同時に走っている未完了の進捗を見ると説明しやすくなることがあります。


Battle Passは、この構造をさらに一段深くする

Battle Passもこの「長い進捗」の一部です。

ただしBattle Passには、

  1. お金を払う
  2. その後に進める
  3. 報酬を受け取る

という、購入後の行動が絡む場合があります。

そのため、単なるSeasonやDailyと同じ記事に押し込まず、別記事で扱います。

→ GAME-02:バトルパス|買った後も続く仕組み


続ける理由は、外から置かれたものだけではない

ここまで扱ったのは、

  • 時間
  • 期限
  • Reset
  • Rank
  • Mission
  • Reward track

のように、ゲーム側が外から置く構造です。

でもゲームが続く理由は、それだけではありません。

プレイヤー本人の中にも、

  • 負けたけど次はこうしてみよう
  • 前より上手くなっている

という別のループがあります。

これは次の記事で分けて考えます。

→ GAME-03:負けても終わらない|失敗のあとに「次の一手」が残るか

→ GAME-04:上達している途中が続ける理由になる


ゲームを見るとき、「何時間」以外の軸を一つ増やす

ゲーム時間の話になると、

長いか、短いか

だけを見がちです。

そこへもう一つ、

今、何の進捗が途中なのか

という軸を足してみる。

一試合は終わったのか。

Dailyは途中なのか。

Seasonの終盤なのか。

期間限定イベントなのか。

それが分かるだけでも、「なぜまだ続けたがるのか」の見え方は変わります。


研究について

Daily、Season、Event、Updateなどについて関連研究はありますが、それぞれの仕組みが単独で長期retentionを高めるという因果は、ここでは断定していません。

この記事の「異なる時間スケールの未完了が重なり得る」という整理は、複数のゲーム設計要素を一つの地図としてまとめた、このサイト側の分析です。


シリーズ内リンク: 入口|保護者向けオンラインゲーム入門 / 次|GAME-02 バトルパス



→ 家庭でどの仕組みが強いかチェックする

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