思考OS 第3章|仮説と検証

これだけ覚えよう

  • 最初に思いついた答えを、いきなり正解にしない。
  • 「たぶんこうだ」と答えを一つ置いて、本当にそうか確かめてみる。
  • 自分の考えに合う証拠だけでなく、「もし違うなら?」という証拠も探す。
  • 確かめて違っていたら、失敗ではない。答えを直せばいい。
  • 仮説は「正解」ではなく、「まず試してみる答え」。

味を、見る

思いついた答えは、正しく見える。

自分で思いついたものだから、なおさらだ。

そして人は、正しく見えたものを、確かめずに使い始める。

料理人は、それをしない。

客に出す前に、味を見る。

「たぶん、いい味だ」で皿を出さず、一口すくって、舌にのせる。

思いつきと、料理の間には、味見がある。

立てた答えを、確かめて、必要なら直すこと。それが、仮説と検証である。

答えを思いつくのは、難しくない。

難しいのは、その答えを疑うことのほうだ。

「この店が流行らないのは、場所が悪いからだ」

そう思った瞬間、人は、その考えを裏づけるものばかりを探し始める。

人通りの少ない時間帯を見て、「やはり場所だ」と頷く。

繁盛している別の店が、同じくらい奥まった場所にあることには、目が向かない。

見たいものだけを見て、確かめた気になる。

これが、いちばん多い落とし穴だ。

自分の答えに都合のいい証拠は、探せばいくらでも見つかる。

だから、自分の答えを味見するときは、まず反対側から一口すくう。

「もし、場所のせいでないとしたら?」

味ではなく、料理、値段、接客。

一つずつ、別の原因を疑ってみる。

自分の説がそれでも生き残ったら、そのときは、少し信じていい。

確かめ方は、大げさでなくていい。

一日だけ、店の前に立って、通る人の数を数えてみる。

近くの流行っている店を、一度、客として訪ねてみる。

小さくてもいい。頭の中だけで完結させず、外の世界に一度、聞く。

思いつきは、机の上で育つ。

検証は、外の風に当てて、初めてできる。

そして、味が違っていたら、直せばいい。

外れた答えは、次に試す場所を、一つ減らしてくれている。

最後にいい味を出す人は、外れた答えを、外れたと認めて鍋へ戻れる。

出す前に、一口。



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