「全体→部分」を覚える|記憶学・実践ケース

「全体→部分」という言葉は知っている。

「先に全体を見るもの」くらいまでは分かる。

でも、

具体的に、何を見て、何をして、何が分かる道具?

と聞かれると、うまく説明できない。

そんなときは、言葉そのものを何度も覚え直すより、中の動きを3つに分けて覚える方が使いやすくなります。

「全体→部分」で覚えたいのは3つ

  1. 何を見る?――まだ完全には分かっていない対象の全体
  2. 何をする?――全体の中で、今見ている部分の位置と役割を確かめる
  3. 何が分かる?――「この部分は何の一部で、何をしているか」という現在地

短くすると、

全体をざっくり見る
→ 今見ている部分がどこにあるか確かめる
→ その部分の役割が分かる

という流れです。

中心の問いは、

「これは、全体のどこにある?」

です。

長い本で試してみる

長い本を読んでいて、今読んでいる段落の意味自体は分かる。

でも、「なぜここでこの話をしているのか」が分からない。

そんなときは、いったん目次や章タイトルへ戻ります。

たとえば、

今は「原因を説明する章」の中にいる。

と分かるだけで、同じ段落でも役割が見えやすくなります。

文章が変わったわけではありません。

その文章を、全体のどこに置いて読むかが変わったわけです。

関連:理解OS 第13章|全体→部分

「目次を見ること」を覚えるわけではない

ここは混同しやすいところです。

本の例では目次を見ましたが、

全体→部分 = 目次を見る方法

ではありません。

覚えたいのは、部分を全体の中へ置き直して、位置と役割を見るという操作です。

だから、本以外でも使えます。

30秒で確認する

ここまでを閉じて、次の3つに答えてみてください。

  1. 最初に何を見る?
  2. 次に何を確かめる?
  3. 最後に何が分かる?

だいたい、

全体をざっくり見る
→ 部分の位置と役割を見る
→ 現在地が分かる

と言えれば十分です。

翌日にもう一度だけ確かめる

翌日、「全体→部分」という名前だけを見ます。

そして、

「これは、全体のどこにある?」

という問いと、さきほどの3段階を思い出せるか確認します。

もう一度本文を読む前に、まず自分で取り出してみるのがポイントです。

関連:記憶OS 第15章|遅延想起

別の場面でも使えるか

今度は本ではなく、会議資料を想像します。

一つの数字だけを見て、

この数字は、資料全体の何を説明する数字だろう?

と考えられるでしょうか。

最初の本の例がなくても同じ操作を使えれば、単なる例の暗記から一歩進んでいます。

うまく覚えられないときは

「全体→部分」という言葉だけを何度書いても、説明できるようにならないことがあります。

その場合は、

  • 名前だけでなく、中の3段階を言えるか
  • 最初の例とは違う場面でも使えるか
  • 翌日に自分で取り出せるか

を見てみます。

このシリーズでは、人を「○○型」と決めるのではなく、今覚えたい内容に合わせて、覚え方を少し変えることを試します。

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