二つの確率を掛ければ答えになる? 「条件が変わる」くじで考える

「赤い玉を引く確率は2分の1。次も赤なら、2分の1×2分の1で4分の1」。この計算はいつでも正しいのでしょうか。引いた玉を袋へ戻すか、戻さないかで二回目の条件は変わります。確率を掛ける前に、何が起きた後の確率かを確かめましょう。

一回目と二回目の条件が同じ場合

架空の袋に赤2個、青2個の玉が入っているとします。一個引いて色を確かめ、その玉を袋へ戻し、袋をよく混ぜてもう一回引きます。毎回袋の中は赤2個、青2個なので、一回目も二回目も赤の確率は2分の1です。

戻すたびに同じ条件になると仮定すれば、赤が二回続く確率は(2÷4)×(2÷4)=4分の1です。ここでは一回目の結果によって二回目の袋の中身が変わらないことが大切です。

玉を戻さない場合はどうなる?

同じ袋から一個引き、今度は戻さずに二個目を引きます。最初に赤を引く確率は2分の1です。そのあと袋には赤1個、青2個が残るため、二回目も赤を引く確率は3分の1になります。

赤が二回続く確率は(2÷4)×(1÷3)=6分の1です。先ほどの4分の1とは違います。二回目の確率に、最初から2分の1を使ってはいけません。二回目の条件は、一回目に赤を引いたことによって変わっているからです。

すべての場合を書き出して検算する

玉を赤A、赤B、青C、青Dと区別すると、一個目は4通り、二個目は残り3通りで、順序を区別した組み合わせは12通りです。そのうち両方赤になるのは「赤A→赤B」「赤B→赤A」の2通り。2÷12=6分の1と計算が一致します。

条件付きの確率をいきなり式で覚えるより、小さい例で一つずつ可能性を書き出すと分かりやすくなります。色だけではなく玉に番号を付けると、数え落としを減らせます。

逆の順番でも同じ?

赤を引いてから青を引く確率は(2÷4)×(2÷3)=3分の1です。青を引いてから赤を引く確率も(2÷4)×(2÷3)=3分の1です。ここでは赤と青が同じ個数なので、順番を入れ替えても一致します。

ただし、別の個数の袋や違う条件なら、途中の計算は変わります。確率の式だけを見て「順番を変えても必ず同じ」と思うのではなく、袋の状態を具体的に確認しましょう。

言葉にすると判断しやすくなる

「最初に赤を引いたとき、次も赤である確率」という文章には、すでに最初の結果が条件として入っています。「二回とも赤の確率」とは問いが違います。前者は、最初が赤だと分かった後に残った袋だけを見ます。後者は、最初が赤になる可能性から考え始めます。

普段の会話でも「合格した人のうち、再受験した割合」と「全受験者のうち、再受験した割合」は異なります。確率の言葉を読むときは、誰を最初の集団にしているか確認すると混乱しにくくなります。

ほかの条件まで勝手に同じにしない

サイコロの一投一投が独立だとしても、実際のくじ引きが同じ条件で続くとは限りません。景品が減っていく抽選や、途中でルールが変わるゲームでは、先ほどの結果が次の確率に影響することがあります。

「前に当たったから次は当たりにくい」という言い方は、独立した抽選なら成り立ちません。一方、残りの当たりが減る仕組みなら、当たりにくさが変わる場合があります。抽選の仕組みを見ずに、経験だけで決めないようにしましょう。

自分で試せる小さな表

赤3個、青1個の袋を考え、玉を戻す場合と戻さない場合で、赤が二回続く確率を計算してみてください。戻す場合は(3÷4)×(3÷4)=16分の9です。戻さない場合は(3÷4)×(2÷3)=2分の1です。

同じ「赤が二回続く」という問いでも、結果が変わりました。次に袋の玉の数を変えると、条件がどこに現れるかを確かめられます。

青が二回続く確率も確かめる

最初の袋には青玉も2個ありました。玉を戻さない場合、青が二回続く確率は(2÷4)×(1÷3)=6分の1です。赤二回と合わせると6分の2、つまり3分の1になります。

反対に色が違う組み合わせは、赤→青が3分の1、青→赤が3分の1で、合わせて3分の2です。「同じ色」と「違う色」の確率を足すと1になるので、数え漏れがないか検算できます。

くじの順番を間違えずに記録する

玉を引くたびに、袋に残った赤と青の数を小さな表にしてみましょう。最初は赤2・青2、赤を引いた後は赤1・青2、さらに赤を引いた後は赤0・青2です。二回目の確率を使う前に、どの状態の袋を見ているか確認できます。

この表を作ると、確率の計算は単なる式の暗記ではなく、残っている選択肢を数える作業だと分かります。最初の赤と二回目の赤では、同じ「赤を引く」でも分母と分子が変わります。

さらに一回引いた場合を考える

赤2個、青2個の袋から、戻さずに三回連続で赤を引くことはできません。赤が二個しか入っていないからです。ところが玉を毎回戻すなら、三回とも赤になる確率は(2÷4)の3乗、つまり8分の1です。

同じ赤い玉を三回狙っても、戻すか戻さないかで「そもそも起こりうるか」が違います。計算より前に可能な結果を確認する重要性が見えてきます。

現実の抽選に当てはめるとき

抽選箱の玉を戻すかどうかは分かりやすい条件ですが、現実の抽選では当たり数が公表されないこともあります。その場合、計算の前提を勝手に決めることはできません。

具体的な確率が分からないときは、「戻さない方式なら条件が変わる」「独立なら変わらない」という考え方まで使い、数字については未確認とする方が正確です。

確率は先に条件を書く

二つの確率を掛けるという計算は便利ですが、数字を選び間違えると正しい答えにはなりません。「二回目は何が残っているか」「最初の結果で条件が変わるか」を確認してから式にしましょう。

見かけが似た問題でも、前提が違えば答えは違います。確率を覚えるだけでなく、どの条件の下での確率かを読めることが大切です。

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