感情OS 第24章|疲労管理

これだけ覚えよう

  • 疲れているときの考えを、いつもの自分の判断と同じだと思わない。
  • 夜になると、「全部ダメだ」「自分には向いていない」と、話を大きくしたくなる日もある。
  • そんなときは、内容の問題なのか、自分が疲れているせいでそう見えているのかを一度分けてみる。
  • 大きな決断や重い返事は、できるなら休んだあとにもう一度見る。
  • 限界まで疲れてから休むのではなく、まだ余裕があるうちに休む時間を入れておく。

暗くなってから読んだ

夕方、同じ紙を三度読んだ。

三度目で、文字が小さくなったと思った。

老眼だろうか、と考えて、顔を上げた。窓の外が、青くなっている。

小さくなったのは文字ではなかった。部屋が暗くなっていた。

電気をつける。

同じ紙が、さっきよりはっきり見える。読み直すと、二度目に読んだときに思ったことが、少しおかしい。

暗いところで読んだ二度目に、こちらはこう思っていた。この件は、たぶんうまくいかない。自分が向いていないのだと思う。この仕事を続けるのが正しいのかも分からない。

明るいところで読んでいる三度目には、そこまでのことは書かれていない。

書かれていたのは、日程が二週間ずれるという一行だけだった。

暗さは、文字を消さない。

読みにくくするだけだ。読みにくいものを、こちらは読み取ろうとする。読み取れない部分には、手持ちのもので埋める。夕方に手元にあるのは、たいてい、疲れているほうの材料である。

だから、暗くなってから出した結論は、内容についての結論ではなく、暗さについての結論に近い。

厄介なのは、暗くなったことに気づかないところだ。

だんだん暗くなるので、境目がない。文字が小さくなった、と思うほうが先に来る。

いくつか、覚えのある言い方がある。

自分は向いていない。あの人は、たぶん、こちらをよく思っていない。全部やり直したほうがいい。

夕方の四時から、こういう言い方が増える。朝の九時には、同じことを考えていても、言い方が違う。

だから、電気は、暗くなってからではなく、暗くなる前につける。

休む日も、たぶん同じだ。倒れてから決めるのではなく、まだ読める時間に、先に決めておく。

別の紙に持ち替えるのは、電気をつけたことにはならない。暗い部屋で、違う紙を読んでいるだけだ。

今夜の三度目で、こう決めた。

日程がずれる件は、明日の朝、返事を書く。

書きかけの一行だけ残して、消す。

朝、その一行から始められる。


おすすめの記事