歴史の年号が覚えられないとき|数字だけではなく「出来事・順番・流れ」を分けて見る

歴史の年号を覚えてもすぐ抜ける。語呂合わせでは言えたのに、問題になると何の年か分からない。出来事は分かるのに年が出ない。

そんなときは、「年号暗記が苦手」でまとめずに、年と出来事のどのつながりが切れているかを確認します。

最初に、今勉強している単元から5つだけ年号を選んでください。

教科書や授業で扱っているものを使い、

  1. 年 → 出来事
  2. 出来事 → 年
  3. どちらが先か
  4. その前後で何が変わったか

を別々に確認します。

1. 「年を見れば出来事が言える」と「出来事から年を出せる」は別

年号の一覧を見て、

「この年はこの出来事」

と言える。

でも問題で出来事だけ出されると、年が思い出せない。

これは珍しいことではありません。入力の向きが変わっています。

そこで、同じ5つの年号を、

  • 年 → 出来事
  • 出来事 → 年

の両方向で確認します。

テストで必要なのが片方向だけなら、その方向を優先して構いません。

記憶研究では、学んだ内容を自分で思い出す retrieval practice が、その後の想起を助けることが多くの研究で示されています。

年表を読むだけでなく、答えを隠して出すところまでを一回の勉強にします。

2. 二つの年号が混ざるなら、数字だけを覚え直さない

二つの出来事の年が入れ替わる。

この場合は、二つの数字をそれぞれ繰り返すだけでなく、

  • どちらが先か
  • 間に何があるか
  • 前の出来事から何が変わったか

を並べます。

文部科学省の地理歴史科の解説では、歴史を考察するときに、事象の意味や相互の関連だけでなく、時期や年代、推移などに着目することが示されています。

年号を一個ずつ孤立させるだけでなく、「前後関係」を持たせると、年を歴史の流れの中で確認できます。

3. 語呂合わせは「年だけ出る」で終わらせない

語呂合わせは、数字を取り出す手がかりとして使えます。

ただし、

「語呂だけ言える。でも何の出来事か分からない」

なら、目的の知識まで届いていません。

語呂を使うなら、続けて、

年 → 出来事

まで一息で出せるか確認します。

逆に、出来事は分かるのに年だけ抜けるなら、

出来事 → 年

の向きを重点的に練習します。

語呂合わせを使うか使わないかより、最終的に必要な答えまで出せるかを見ます。

4. 年号は出るのに歴史問題が解けないなら、暗記だけの問題ではない

年も出来事も言える。

それでも、

「なぜ起きたか」 「何が変わったか」 「別の出来事とどうつながるか」

を聞かれると止まる。

この場合、年号暗記を増やすだけでは足りません。

文部科学省の学習指導要領解説でも、歴史は年代だけでなく、事象の意味や意義、特色、相互の関連、推移などを多面的に考察することが求められています。

だから、

  • 年
  • 出来事名
  • 前後関係
  • 変化やつながり

を別の項目として確認します。

「年号が出ない」と「歴史の流れが分からない」を同じ問題にしないことが大切です。

5. 5枚だけのミニ年表を作る

大きな年表を最初から全部覚えようとすると、どこで混ざったか分かりにくくなります。

今の単元から5つだけ選びます。

縦でも横でもよいので、

  • 年
  • 出来事
  • 一つ前との関係
  • 一つ後との関係

を書きます。

長文を書く必要はありません。

「前」「後」「この間に○○」のように、自分の教科書に沿った短い手がかりで十分です。

歴史上の事実は曖昧な記憶で補わず、教科書・資料集・信頼できる資料で確認してください。

6. 翌日にまず「見ないテスト」をする

当日は5つ全部言えた。

翌日は、年表を開く前に同じ5つを確認します。

  • 年 → 出来事
  • 出来事 → 年
  • 前後どちらが先か

この三つだけでも構いません。

出なかったものだけ教科書や年表に戻ります。

学習を時間的に分散することは、続けて詰め込む場合より長期保持に有利になることが、メタ分析で報告されています。

固定の復習日程を守ることだけを目的にせず、時間を空けたあと何が出なかったかを次の復習材料にします。

7. 15分ならこの順番

5分:5つを両方向で出す

年 → 出来事。 出来事 → 年。

答えを先に見ません。

5分:混ざった二つを並べる

どちらが先か。 何が違うか。

自分の教科書で確認します。

5分:流れを一言だけ足す

「この前に何があった?」 「このあと何が変わった?」

を一つだけ確認します。

まとめ

歴史の年号が覚えられないときは、

  1. 年から出来事が出ない
  2. 出来事から年が出ない
  3. 二つの年が混ざる
  4. 順番が分からない
  5. 年号は出るが、流れや関係が分からない
  6. 当日は出るが翌日抜ける

を分けます。

年号を「数字の列」として全部覚え直す前に、どの向きのつながりが切れているかを見てください。

歴史では、年を覚えることと、その出来事を流れの中で理解することは同じ確認ではありません。

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参考資料

  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 地理歴史編」

https://www.mext.go.jp/content/20220802-mxt_kyoiku02-100002620_03.pdf

  • McDermott, K. B. (2021). Practicing Retrieval Facilitates Learning.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33006925/

  • Cepeda, N. J. et al. (2006). Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16719566/

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