
「自分は暗記が苦手だ」と思うと、暗記力そのものを何とかしたくなります。
暗記が苦手だと感じるときは、覚える力を一括りにしないことが大切です。意味が入らない、思い出せない、似た情報が混ざる、時間がたつと消えるなど、失敗の種類を分けると練習方法を選びやすくなります。
でも、「覚えられない」は一つの状態ではありません。
- 意味が分かっていない
- 見れば分かるのに、自分から出せない
- 似たものが混ざる
- その場では言えるのに、翌日になると抜ける
同じ「暗記が苦手」でも、次にやることは変わります。
暗記が苦手なときに見る6か所
| 場所 | 1問 |
|---|---|
| 理解 | 意味や仕組みを、自分の言葉で説明できる? |
| 入力 | 覚えたい内容に、一度きちんと注意を向けた? |
| 見覚え / 手がかり | 見れば「これだ」と分かる? |
| 自力想起 | 何も見ずに自分から出せる? |
| 区別 | 似たものと混ぜずに言える? |
| 時間経過 | 翌日や数日後にも出せる? |
まず症状に一番近い1か所を選びます。迷ったときだけ前から確認します。
答えを見ても曖昧なら、暗記の前に理解を見る
用語の意味がぼんやりしたまま、文字列だけを何度も見ていることがあります。
この状態で回数だけ増やすと、「分からないものを繰り返し見る」時間が長くなります。
分からない言葉を一つ確認する。具体例を一つ作る。似たものとの違いを一言にする。
まず、覚える対象そのものを扱いやすくします。
見れば分かるのに出ないなら、自力想起を見る
答えを見た瞬間に「ああ、それ」と思う。でも閉じると出ない。
このときは、見直す前に一度だけ何も見ずに出してみます。
出なかった場所が分かれば、そこだけ確認できます。
似たものが混ざるなら、二つの境界を見る
歴史用語、英単語、漢字、公式。似たものが増えると、「全部覚えていない」ように感じることがあります。
でも実際には、二つの境界が曖昧なだけかもしれません。
「何と何を取り違えた?」「違いを一行で言うと?」
ここまで小さくすると、対策も小さくできます。
直後は出るのに翌日抜けるなら、時間経過を見る
その場で言えたことと、時間がたっても出せることは同じではありません。
翌日、一度だけ何も見ずに確認します。出なかったものだけ戻ります。
毎回最初から全部読み直す必要はありません。
「暗記が苦手」を、教材まで含めて言い換える
英単語だけが苦手なのか。漢字だけなのか。年号だけなのか。公式だけなのか。
ここまで分けると、本人の「暗記力」より、教材が何を要求しているかが見えることがあります。
たとえば英単語帳なら、単語だけでなく例文の文法、複数の意味、品詞や語法まで同時に出てくることがあります。英語がまだ苦手なら、それを全部「暗記の問題」にすると負荷の場所を見失います。
英単語で困っている場合は、「英単語が覚えられないとき」で、単語帳そのものの難しさも含めて確認できます。
7日間、同じ10個だけで試す
方法を次々に変えると、何が効いたのか分かりません。覚えたいものを10個だけ選びます。
前より出るなら続けます。変わらないなら、「自分は暗記が苦手」で終わらせず、見る場所を変えます。
「暗記力」という一言を、小さくする
「暗記が苦手」は、困りごとの名前としては便利です。でも対策を決めるには、少し大きすぎます。
理解なのか。自力想起なのか。区別なのか。時間経過なのか。
一つ見つかれば、次に試すことも一つになります。
覚え方を増やす前に、今どこで止まっているかを見てください。



