地層のしま模様はどうできる? 積もる順番と例外から昔の環境を読む

崖や切り通しに、色の違う横じまが重なっていることがあります。人工的に線を引いたわけではないのに、なぜ何枚もの層に分かれて見えるのでしょうか。地層を読むときは「何が積もったか」と「いつ積もったか」を分けることが大切です。しま模様は、昔の環境を推理するための記録になります。

地層は一度に全部できるわけではない

一年ごとに季節の条件によって堆積する明暗の層を「年縞」と呼びます。福井県の水月湖のように年縞が長期間残った場所では、一枚ずつの層を使って過去の時間や環境を調べる研究が行われています。すべての縞模様が一年に一枚できるわけではない点が重要です。

川や海、湖には、砂、泥、小石などが運ばれて積もる場所があります。ある時期は粗い砂が多く、別の時期には細かな泥が多く積もると、性質の違う層が重なります。色の差は鉱物や有機物などの違いによって生じる場合があります。こうして見える境目が地層のしま模様の一つの理由です。

ただし、一枚の層が「ちょうど一年分」を示すわけではありません。一度の洪水で厚い層ができる場合もあれば、長い間ほとんど積もらない時期もあります。見た目の厚さをそのまま時間の長さに置き換えることはできません。地層の厚さを比べる前に、何がどうやって積もったのかを考える必要があります。

普通は下の層ほど先に積もる

水中などで堆積物が順に積もり、その後に地層が大きくひっくり返っていない場合、下にある層ほど古く、上にある層ほど新しいと考えられます。この関係は地層を調べる基本です。地質学では地層累重の法則として知られています。

ただし、この考えには前提があります。後から地殻変動で層が傾いたり、押し曲げられたり、逆転したりすることがあるからです。「どんな場所でも上は新しい」と暗記するのではなく、元の積もり方が保たれているかを調べることが大切です。条件を付けて使う法則として理解しましょう。

泥の層と砂の層は何を教える?

砂は比較的大きな粒を含み、泥にはさらに細かい粒が多く含まれます。水の流れの強さや粒の供給が変わると、積もる材料も変化します。細かい泥が静かな水底にたまり、その後に強い流れで砂が運ばれて積もったとすれば、泥の上に砂の層ができる可能性があります。

ただし「砂なら必ず激流」「泥なら必ず深海」という一対一の対応ではありません。河口や湖、浅い海でもさまざまな条件が起こります。堆積物の粒の形、層の広がり、生物の痕跡などを一緒に調べ、複数の手がかりを組み合わせて昔の環境を推理します。

地層の境目は時間の途切れを表すことも

先に積もった地層が水や風で削られ、その上に新しい地層が積もる場合があります。これを不整合と呼ぶことがあります。地層の境目がくっきりしていても、その間にたくさんの時間が抜け落ちているかもしれません。境界線は材料が変わったことだけでなく、積もらない期間や削られた期間を示す場合もあります。

例えば、古い層の上部が削られて平らになり、その上に新しい砂が積もれば、古い層の一部が失われます。地層の厚さから単純に過去の長さを合計すると、こうした空白を数え落とします。地層は連続した日記とは限らず、ページの抜けた記録かもしれないという発想が必要です。

透明容器で地層を作る模型を考える

透明な容器に砂と土を少しずつ入れ、水を加えて沈む様子を比べる模型を考えてみましょう。大きな粒と小さな粒が異なる速さで動き、層状に分かれて見える場合があります。ただし粒の種類と水の量を変えると結果も変わります。これは堆積の一部を見せる模型であり、何百万年もかけて岩石になる過程そのものではありません。

同じ種類の砂を一回にまとめて入れた場合と、途中で泥を足した場合では、できる層の違いが見えやすくなります。模型を試すなら、容器を密閉せず、周囲を汚さない場所で少量にし、土の粉じんを吸い込まないようにします。崖を削って標本を取るような危険な行為は必要ありません。

化石や火山灰は別の手がかりになる

地層には生物の痕跡が含まれる場合があります。ある種類の化石が見つかれば、当時の生物や環境を推理する材料になります。火山灰が積もってできた層も、複数の場所の地層を比べる目印になることがあります。ただし、似た色の層が遠く離れた場所にあっても、同じ時期と決められるわけではありません。

手がかりが増えるほど、昔の環境の説明を確かめやすくなります。粒の種類、層の上下関係、化石、火山灰を別々に記録し、その後で組み合わせるのが基本です。一つの特徴から即座に年代を言い当てるより、複数の証拠が同じ説明と合うか確かめましょう。

「縞の数」から年数を数えられない理由

地層が十枚に見えたとしても、十年分の記録とは言えません。例えば一度の洪水で砂の層が積もり、その後何十年も大きな堆積が起きず、次の洪水で泥の層が重なる場合があります。層の数は、材料が変わった回数に近い手がかりになることはありますが、時間の長さそのものとは違います。

紙に横線を五本引いて、層の厚さを同じにした図を描きます。次に各層の横へ「数日」「長い空白」「一回の噴火」「数年」など、仮の出来事を書き込みます。同じ厚さの線でも、対応する時間が全く違う図ができます。地層が記録するのは、過去の環境における変化であり、必ずしも均等な時計の目盛りではないことが分かります。

実際の年代を知りたいときは、火山灰に含まれる鉱物の年代や、化石などを利用する場合があります。ただし、その方法でも測った対象が地層のできた時刻と完全に一致するとは限りません。何の年代を測ったのかを言葉にして確認しましょう。

一枚の地層写真でどこまで分かる?

写真でしま模様が見えても、撮影した向きや地層の傾きが分からなければ、上下関係を正しく読めない場合があります。写真の上が地質学的に新しい層とは限らないのです。観察ではまず、地層の境界線がどちらに傾いているか、写真の中に大きさを比べる物差しがあるかを調べます。

次に「下ほど古い」と言うために必要な条件を書き出します。層が大きく逆転していないこと、削られた境界がないか、同じ場所を見ているかなどです。分からない条件が残れば結論を保留します。しま模様を年代に結びつける前に、どの情報が写真に写っていないかを考えることが、地層を丁寧に読む方法です。

参考資料

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