第23回|「この作戦でいける」は、本当?

自分の予想を壊す証拠を探す3分実験

「3分実験室」は、3分前後でひとつの小さな頭の実験をして、あとから「今どんな頭の使い方をした?」を見ていくシリーズです。

明日のテストに向けて、

今夜3時間、一気に勉強すれば大丈夫。

と思ったとします。

その作戦が正しい理由ではなく、今回は反対側を探します。

まずやってみる

1.この作戦が失敗するとしたら?

今夜3時間、一気に勉強する

という作戦がうまくいかない理由を3つ考えてください。

2.どんなことが起きたら「作戦失敗」?

明日のテストで、

こうなったら、この作戦は十分ではなかった

と言えることを2つ考えてください。

3.作戦を守る条件を足す

反対側を見たあとで、

それでもこの作戦を使うなら、何を変える?

と考えます。

たとえば、

途中で問題を解く
苦手だけにしぼる

などです。

4.最初の作戦と比べる

最初の、

3時間やれば大丈夫

と比べて、最後の作戦はどう変わったでしょうか。

ここから種明かし

何かを考えたとき、

これでいけそう

と思う理由は、自然に集めやすいものです。

今回は逆に、

この考えが間違っているとしたら?

を先に探しました。

自分の案を壊す情報を見ると、案を捨てることもあれば、弱いところだけ直せることもあります。

反対の証拠を探すのは、自分の考えを否定するためだけではありません。

強くするためにも使えます。

ここまでの答えを見比べてみよう

<見るところ> <たとえば>
最初 3時間やれば大丈夫
失敗理由を考えたあと 集中が切れる、覚えただけになる等
失敗のサイン 問題になると解けない等
条件を足したあと 問題演習を入れる等
最後 最初の作戦をそのまま信じなくなった

記憶学で見ると?

「覚えたつもり」と「取り出せる」は別なので、失敗の条件を見る意味がある
長く見直したことで安心しても、実際に問題を解いたときに出てこないことがあります。「どんな状態なら本当に使えるか」を考えると、見直すだけでは分からない部分に気づけます。

他には……

  • 思い出せない場面も、次の覚え方を変える材料になる: どこで出てこなかったかを見ることで、次に何を練習するか決められます。
  • 自分で取り出す確認を入れると、記憶の状態を確かめやすい: 見れば分かるだけなのか、何も見ずに出せるのかを分けて確認できます。


脳のOSで見ると?

仮説と検証(思考OS 第3章:反証を探す)
「この作戦が正しい理由」だけを集めず、「間違っているとしたら何が起きる?」を探します。自分の考えに都合の悪い証拠を先に見ることで、弱い案を早めに直せます。

他には……

  • 仮説と検証(思考OS 第3章:仮説を置く): 「3時間やれば大丈夫」という仮の予想を置く。
  • 仮説と検証(思考OS 第3章:確かめる): 何が起きたら予想が外れたと言えるか決める。
  • 場合分け(思考OS 第1章): 苦手の量や時間によって、使う作戦を変える。
  • 決める(思考OS 第11章:反証後に作戦を組み直す): 反対の情報を入れたあと、元の作戦を組み直す。

もう一度だけ

次は、

「毎日30分運動すれば、必ず体力がつく」

という考えについて、

間違っているとしたら何が起きる?

を3つ考えてみてください。

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