
これだけ覚えよう
- 頭の中で同じ言葉がぐるぐる回っているときは、自分に「答えられる質問」をしてみる。
- 「なんであんなことをしたんだろう」と責め続けるだけでは、同じところを回りやすい。
- 「で、どうしたい?」「今いちばんつらいのは何?」「次は何が必要?」なら、答える場所ができる。
- 返ってきた答えは、「明日ひと言謝る」「言う前に一回息を吸う」のように、小さいことかもしれない。
- 自分を問い詰めるのではなく、返事のできる問いを置いて、次にできることを探す。
返事のない一文
布団に入ってから、同じ一文が回っている。
なんで、あんな言い方をしたんだろう。
一周して、また同じところへ戻る。二周目も三周目も、文の形は変わらない。長さも変わらない。強さだけが、少しずつ上がっていく。
回っているあいだ、こちらは何も答えていない。
質問の形をしているのに、答えを待っていないからだ。待っていない質問は、返事の場所を空けない。空けないので、そのまま次の一周へ行く。
四周目で、口の中だけで言ってみる。
で、どうしてほしいの。
言った先に、空白ができる。
空白ができたので、何か入れないといけなくなる。
入ってきたのは、こうだった。
明日、短く謝りたい。長い説明はしたくない。あの一言だけ、取り消したい。
思っていたより、小さかった。
三周していたときの一文は、こちらの全部を問い詰めていた。返ってきたのは、明日の三十秒の話だった。
もう一つ聞いてみる。
いま、いちばんつらいのはどこ。
これも空白ができる。
返ってきたのは、相手のことではなかった。ああいう言い方をする自分が、また出てきたということのほうだった。
そこで、聞き方に気をつける。
なんで、また同じことをするの、と続けたくなる。これは質問の形をしているが、さっきの一周目と同じもので、返事の場所がない。
聞き方を変える。
明日、同じ場面になったら、何が要る。
返ってくる。
言う前に、一回、息を吸う時間が要る。
これは、明日の朝までに用意できる。
回っていたときと、いまとで、材料は同じだ。同じ場面、同じ後悔、同じ自分。
違うのは、こちらが一度、返事の場所を空けたことだけだ。
もう一周してみるが、さっきほど速くない。
そのまま、寝る。
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