
3分実験:聞き続ける会話に、自分を一文だけ入れてみる
まずやってみる
相手が言いました。
「最近、休みの日はよく映画を見ています」
こんな会話を考えてみます。
A
「どんな映画を見るんですか?」
相手:
「サスペンスが多いですね」
「どんな作品が好きなんですか?」
相手:
「最近だと○○が面白かったです」
「映画館にも行くんですか?」
質問はどれも不自然ではありません。
では、途中を一つだけ変えます。
B
「どんな映画を見るんですか?」
相手:
「サスペンスが多いですね」
「サスペンスですか。私は逆に、最近は軽いコメディばかり見ています。最近だと何が面白かったですか?」
1
Aでは、自分について分かることはいくつあるでしょうか。
ほとんどありません。
2
Bでは、
「最近は軽いコメディばかり見ています」
という一文だけ、自分についての情報が増えました。
3
今度は自分で、
質問
→質問
→質問
の三つのうち、一つだけを短い自己開示に置き換えてみてください。
ここから種明かし
質問は、相手に話すスペースを渡します。
自己開示は、自分についての情報を相手に渡します。
今回変えたのは、会話の中で、誰の情報を置くかです。
質問だけを続ければ、相手の情報は増えていきます。でも、自分の情報はほとんど増えません。
逆に、自分の話ばかりすれば、今度は相手が入る場所が減ります。
つまり、「聞くか、話すか」という二択ではなく、会話のスペースをどう配るかとして見ることができます。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| A | 質問→質問→質問 |
| B | 質問→短い自己開示→質問 |
| Aで増える情報 | 主に相手について |
| Bで増える情報 | 相手+自分について |
| 動かしたもの | 会話の中に置く情報の配分 |
コミュニケーションで見ると?
質問が多い会話は、必ずしも悪くありません。
相手が話したがっているなら、たくさん聞く方が自然なこともあります。
ただ、「質問しないと会話が続かない」となると、会話が少し一方向になることがあります。
自分について一文だけ出すと、相手もこちらへ返せる材料を持てます。
自己開示には、自分を説明するだけでなく、相手がこちらを拾える材料を置くという働きもあります。
脳のOSで見ると?
決める
相手が話したあと、
- さらに質問する
- 自分の経験を出す
- 感想だけ返す
など、複数の選択肢があります。
その場で、もう少し聞くのか、自分も少し出すのかを決めます。
その裏では、選ぶと捨てるも働いています。
質問を選べば、今は自己開示を置かない。自己開示を選べば、次の質問を一度待つ。
会話は、話題を考えるだけでなく、自分と相手の情報量を調整する作業でもあります。
もう一度だけ
相手が言いました。
「最近、休日はよくカフェに行っています」
質問を二つ考えたあと、そのうち一つを、自分についての一文+質問に変えてみてください。

