雪の結晶はなぜ六角形が多い? 温度と水蒸気で変わる形

雪の結晶が六角形に関係するのは氷の結晶構造のためです。ただし成長する温度と水蒸気の条件で、板状・柱状・樹枝状など違う外形になります。

六角形はどうして現れる?

雪の結晶の写真には六角形の星のような模様がよく登場します。しかし実際の雪がいつも同じ星形というわけではありません。板状や柱状など、成長条件で異なる形になります。

雪の結晶が六角形の特徴を持つのは、水分子が氷になるときの結晶構造に関係しています。写真に多い六本の枝はその対称性を反映しますが、雪の粒がいつも美しい星形になるわけではありません。板状や柱状など、空気の温度と水蒸気の条件によって外形が変わります。

同じ冬の日に降る雪の粒でも、通ってきた雲の中の温度や水蒸気の条件は少しずつ異なります。結晶の写真を見比べるなら六本の枝の有無だけでなく、枝の太さや板の形などにも注目しましょう。肉眼では細かい構造が見えにくいので、拡大写真を使うのが安全で確実です。

氷の分子構造と成長方向

水分子が氷になるときの結晶構造は六方対称の形を生みやすくします。空気中の水蒸気が結晶の表面に付いて成長するとき、温度と過飽和度の違いによって面の成長速度が変わり、多様な形が現れます。

水分子が氷の結晶を作ると、分子同士の結び付きが方向によって異なる配置になります。その結果、結晶は六角形の基本構造を反映した形に成長しやすくなります。ただしどの方向へ速く成長するかは周囲の温度と水蒸気の供給に左右され、単なる六角板にとどまることもあります。

雪の形を分類する際は、『六角の板』『柱』『枝が伸びた星』などを同じものとして一括りにしないことが重要です。結晶の基本対称性と、実際に見える外形は分けて考えられます。気温が変わる層を落下してくると、複数の環境で成長して形が複雑になることもあります。

雪の結晶を写真で比較する

六角形の対称性と、六本の枝が全部まったく同じになることは別の話です。結晶が落ちながら通過する空気の温度や水蒸気量は変わるので、成長途中の形が重なる場合があります。

雪の結晶の写真で六本の枝を数えたとしても、結晶の厚さや内部の構造は二次元の写真だけでは分かりません。枝の長さが各方向で少し違っていても、氷の基本構造が六方的であることと矛盾しません。

六角形の一周は360度ですから、六方向が均等なら360÷6=60度ずつです。ただし写真の枝が実際に全部同じ太さ・長さになるとは限りません。落下してきた結晶は複数の高さの温度・湿度を通り、途中で成長条件が変わるためです。表面に水滴が付着して凍れば、きれいな形が崩れることもあります。

形の違いと観察の限界

写真集や博物館の公開画像を利用し、板状、柱状、樹枝状などの写真を分類します。気温だけを横に書くのではなく、撮影した場所、測定した高さ、湿度情報があるかどうかも記録します。

「同じ形の雪の結晶は絶対に存在しない」という断言を科学的に証明することは困難です。複雑な結晶は非常に多様ですが、単純な小さな結晶は似た形になることもあります。

雪の結晶を紙で六本の軸として描くと、六十度ずつ方向が違うことを確かめられます。しかし形を描けたことと、分子の結び付き方を証明できたことは違います。幾何学的な特徴を観察する教材と、物質の構造を説明する科学資料を別の役割として使いましょう。

雪の観察資料を読むときには『六角形だからすべて星形』と考えず、基本構造と成長途中の外形を分けましょう。結晶の写真に気温・湿度の記録が添えられていれば、形だけを眺めるより多くのことが分かります。実際の雪を室内に持ち込むとすぐ変形しやすいので、博物館や観測機関が公開する顕微鏡画像で比べるのもよい方法です。

温度によって枝が変わる

雪の結晶は氷の六方対称の構造を共有していても、育つ温度や水蒸気の供給によって板状、柱状、枝が伸びた樹枝状などの形が現れます。たとえば−15℃付近では樹枝状の結晶が成長する条件が知られていますが、その温度だけで形が一つに決まるわけではありません。水蒸気の過飽和度や途中で通った空気の条件も重要です。結晶写真を比べるときは形だけでなく、撮影場所と気象条件も読み取ってみましょう。

雪を採取して顕微鏡で見るような実験では、暖かい手や室内へ持ち込むと形が変わりやすくなります。安全な場所で、温度管理された既存の顕微鏡写真を比較する方法も有効です。写真の撮影時刻や拡大率が違えば単純な大きさ比較はできないので、測定条件を添える必要があります。

氷晶の透明さと雪の白さ

雪の白さと一個の氷晶の透明さも別の話です。小さな結晶が多数重なると光がさまざまな方向へ散乱され、雪全体が白く見えます。『六角形だから白い』という説明は成立しません。結晶の形の仕組みと、多数の粒から生じる見え方を切り離してみましょう。

『自然が作る形は全部対称的』という理解も正確ではありません。枝の先だけ成長が進んだり、粒どうしがぶつかったりすると、見た目は左右不均一になることもあります。基本となる構造の対称性と、現実の雪の粒がどれほど整った形になるかは同じではないのです。

雪の結晶に六角の共通点があると気づいたら、その次に形が違う原因を考えるのが面白いところです。水分子、結晶内部の配置、温度、水蒸気量という異なる尺度の情報をつなぐと、ひとつの写真の裏側にある自然の条件が見えてきます。

−15℃付近で枝が発達するのはなぜ?

雪の結晶は、同じ六方対称の氷でも育つ温度と水蒸気の過飽和の程度で外見が変わります。例えば気象庁の「南極・昭和基地周辺の自然現象」内の「雪の結晶」欄では、大きな樹枝状の結晶が育つ条件として気温が約−15℃で湿度が高く、風が弱いことが挙げられています。これは『−15℃の雪は必ず樹枝状』という決まりではありませんが、温度と水蒸気の条件が形を選ぶ具体的な例です。

雪の結晶の形には薄い六角板、柱状、樹枝状などがあります。板のように横へ広がりやすい場合と、柱のように縦方向へ伸びやすい場合は、氷晶の面ごとに成長する速さが違うためです。気温だけでなく、空気中にどれだけ水蒸気が供給されるかが枝の発達に関わります。

参考資料

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