
パラグラフ・ライティングは、一つの段落に一つの中心となる内容を置き、その中心を支える文を組み立てる書き方です。英文を長くする技術ではありません。読み手が「この段落は何について説明しているか」を途中で見失わないよう、文の役割をそろえる方法です。
Topic sentenceで段落の中心を示す
段落の最初では、その段落が何を説明するのかを示します。
たとえばテーマが「学校の図書館をもっと使うべきだ」なら、
Our school library is useful because it gives students a quiet place to study.
のように、この段落で扱う理由を一つに絞れます。
一段落で「静か」「本が多い」「友達と話せる」「先生が親切」を全部説明すると、中心がぼやけます。理由が複数あるなら、段落を分けることを検討します。
Supporting sentencesは中心文を具体化する
Topic sentenceの後ろには、理由・具体例・説明・データなど、中心文を支える文を置きます。
Many students stay in the classroom during lunch, where it can be noisy.
In the library, they can read or finish homework in a quieter space.
この二文は「quiet place」という中心を具体化しています。
もし途中で「The library has many history books.」と入れるなら、それが静かな学習場所という中心をどう支えるか考えます。関係が薄ければ、別段落の内容です。
「一段落一テーマ」と「一文一情報」を区別する
一段落に一つの中心を置くからといって、全部の文が同じことを繰り返すわけではありません。
中心は一つでも、理由、具体例、結果、比較など違う役割の文を置けます。
逆に、一文へ情報を詰め込みすぎると、主語と動詞の関係が見えにくくなります。段落の中心と文ごとの役割を二段階で整理します。
つながりは接続詞の数では決まらない
First, Second, However, Thereforeをたくさん入れても、前後の内容が論理的につながっていなければ読みやすくなりません。
接続表現は関係を示すラベルです。原因なのか、対比なのか、追加なのかが実際に存在するときに使います。
たとえば、
The library is quiet. Therefore, it has many books.
では、静かであることから本が多いことは導けません。文法的に接続語を置けても、論理の関係は成立していません。
四文を「中心→理由→例→まとめ」に並べる
次の四文を並べてみます。
- I can review difficult words there.
- For me, the library is a good place to study English.
- I often use an English dictionary in the library after school.
- The library helps me study without distractions.
中心に最も向く文を選ぶと、その選択によって後ろの文の役割も変わります。
大切なのは唯一の正解順を当てることより、自分が中心にした文を、残りの文が本当に支えているかを説明することです。
よくある失敗は段落の途中で新しい話を始めること
英作文を書いていると、思いついた情報をそのまま追加して話題が飛ぶことがあります。
「My town needs more parks」という段落の途中で「My favorite sport is tennis」と書くなら、公園の必要性とどう関係するかが必要です。「We need places where children can play sports such as tennis.」のように中心へ戻せれば使えます。
関係を説明できないなら、削るか別段落へ移します。
Concluding sentenceは必須ではない
短い段落では、最後に中心を言い直す文があるとまとまりやすくなります。ただしTopic sentenceを単語だけ変えて繰り返すだけでは情報が増えません。
For these reasons, a quiet library can help students use their free time for learning.
のように、前の具体例を受けて中心へ戻すと役割があります。
課題の長さや文章全体の構成によっては、段落ごとに明示的な結論文が不要な場合もあります。
英文を書く前に「段落の仕事」を一行にする
書き始める前に、
- 1段落目:自分の意見
- 2段落目:理由1と具体例
- 3段落目:理由2と具体例
- 4段落目:結論
のように、段落ごとの仕事を決めます。
これは日本語全文を先に書いて直訳する方法とは違います。英語で何をどの順に説明するかの設計だけを先に作る方法です。
推敲では「段落から外れた文」を先に探す
スペルや文法を直す前に、各段落のTopic sentenceへ線を引きます。次に、残りの文がその中心を支えているか一文ずつ確認します。
内容は正しくても、その段落の仕事と関係しない文なら移動候補です。
最後に接続語、代名詞、同じ語の繰り返しなどを整えます。構造→文法の順に見ると、表面だけ直して論理が崩れたままになるのを防げます。
一つの段落だけで完結させなくてよい
長いエッセイでは、段落ごとに別の役割を持たせ、段落どうしで大きな論理を作ります。1段落にすべての背景・反論・具体例を詰め込むと、かえって中心が見えにくくなります。
「この情報は重要か」だけでなく「この段落に必要か」を判断することが、パラグラフ・ライティングの実践です。
次は役割ラベルなしでも構造が読めるか確かめる
練習では最初にTopic / Reason / Example / Resultとラベルを書いて構いません。しかし最終的な文章にはラベルは出ません。
別テーマでも、読んだだけで中心と支える文の関係が分かる状態を目指します。段落単位で情報を整理できると、英語だけでなくレポートや意見文の構成にも考え方を移せます。
参考資料
- 文部科学省「中学校学習指導要領解説 外国語編」
- 文部科学省「高等学校学習指導要領・解説」



