
3分実験:二秒の沈黙に、三つの意味をつけてみる
まずやってみる
こんな場面を想像してください。
自分:
「その仕事を始めたきっかけって何だったんですか?」
相手:
「うーん……」
二秒ほど沈黙。
「もともとは友達に誘われたのがきっかけですね」
この二秒をどう評価しますか。
1
一つ目。
「質問が悪かったから黙った」
2
二つ目。
「思い出していた」
3
三つ目。
「何をどこまで話すか考えていた」
ほかにも考えられます。
ここから種明かし
沈黙そのものから分かることは、しばらく言葉が出なかったことです。
そこから、
退屈した
質問が嫌だった
自分の会話力が低い
まで一気に進むと、解釈が増えています。
もちろん、本当に答えにくかった可能性もあります。
でも、その時点ではまだ分かりません。
だから、「沈黙=失敗」と一本に決めず、複数の可能性を残すことができます。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 観察できること | 二秒ほど言葉が出なかった |
| 仮説1 | 答えにくかった |
| 仮説2 | 思い出していた |
| 仮説3 | 言い方を考えていた |
| この時点で確定できる? | できない |
コミュニケーションで見ると?
会話中には、相手について完全な情報を持てません。
表情、声、次の返答などから推測はできますが、それでも推測です。
だから、「沈黙された。失敗した」とすぐに結論を出すより、まだ原因は分からないと置いておく選択肢があります。
次の反応を見れば、情報は増えます。
脳のOSで見ると?
判断を保留する
沈黙という一つの観察から、「失敗した」まで確定しない。
まだ情報が足りないなら、判断を少し先へ送ります。
そのうえで、仮説と検証も使えます。
「答えにくかったのかもしれない」「思い出していたのかもしれない」と複数の仮説を持ち、その後の返答や表情で更新します。
一つの情報から結論を固定せず、分からないものを、分からないまま少し置いておくことも頭の操作です。
もう一度だけ
相手が、
「そうですね……」
と言って少し止まった場面を想像してください。
その沈黙について、三つの違う仮説を作ってください。
まだ一つに決めなくて構いません。

