
3分実験:「盛り上がった」を一語のまま使わない
まずやってみる
二つの会話を見ます。
A
「旅行どうでした?」
「楽しかったです」
「よかったですね」
B
「旅行どうでした?」
「楽しかったです。ホテルから海がすごくきれいに見えて」
「海が見えたんですか。朝もきれいそうですね」
「朝が一番よかったです。普段早起きしないのに、二日とも起きました」
Bの方を「盛り上がった」と感じる人もいるでしょう。
では、その「盛り上がった」の中身を分けます。
1
質問の数はどうでしょう。
実は、それほど多くありません。
2
相手が出した情報を拾っています。
海が見えた
↓
朝もきれいそう
3
具体的な場面も増えています。
二日とも早起きした
ここから種明かし
「会話が盛り上がった」は便利な評価です。
でも、そのままでは、何がうまく働いたのかが分かりません。
分けてみると、
- 相手の言葉を拾った
- 具体的な情報が増えた
- 一つの話題が少し続いた
- 相手が自分から情報を足した
- 返答同士につながりがあった
など、いくつもの要素が見えます。
「盛り上がる」という一能力があるわけではないのかもしれません。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 大きな評価 | 盛り上がった |
| 分けると | 反応/具体性/展開/自己開示など |
| 質問数 | 多ければよいとは限らない |
| Bで起きていること | 相手の情報から次が作られている |
| 分解する意味 | 改善できる場所が見える |
コミュニケーションで見ると?
「もっと会話を盛り上げよう」では、実際に何を変えればよいのか分かりにくいことがあります。
でも、
相手が出した具体的な言葉を拾えているか
一問一答だけになっていないか
自分についても少し情報を出しているか
一つの話題がすぐ消えていないか
まで分ければ、試せることが見えます。
大きな評価を、操作できる小さな要素へ変えるわけです。
脳のOSで見ると?
構造分解
今回そのまま使った操作です。
「盛り上がった会話」という大きなかたまりを、
- 反応
- 具体性
- 質問
- 自己開示
- 話題の継続
- 展開
などへ分けました。
「会話力」のような大きな言葉で困ったときも同じです。
分解できれば、「どこはできている?」「どこを動かせる?」と考えられます。
もう一度だけ
最近した会話を一つ思い出してください。
「うまくいった」「うまくいかなかった」で終わらせず、最低四つの要素に分けてみてください。

