夏と冬で昼の長さが違うのはなぜ? 地軸の傾きと緯度を比べる

夏と冬で昼の長さが変わるのは、地球の自転軸が傾いているから

夕方の同じ時刻に外を見ると、夏はまだ明るいのに、冬はすっかり暗くなっていることがあります。時計が違うわけでも、太陽が夏だけゆっくり動くわけでもありません。日の出から日の入りまでの時間そのものが、季節によって変わっています。理由を探すには「地球と太陽の距離」よりも、地球の回転軸の傾きに注目した方が分かりやすくなります。

日本で昼が最も長くなるころを夏至、短くなるころを冬至と呼びます。ただし夏至は、必ず最高気温が記録される日ではありません。地面や海が暖まるまでには時間がかかり、気温には雲や風なども影響します。昼の長さという天文学的な条件と、実際の暑さという気象の結果を区別しておきましょう。

地球の自転軸は少し傾いている

地球は自転しながら太陽の周りを回っています。自転軸は公転面に垂直な方向から約23.4度傾いていて、その向きは一年を通じておおむね一定です。北半球が太陽側へ傾く時期には、北半球の地点から見た太陽が空の高い道筋を通ります。逆向きに傾くころには太陽の通る道筋が低くなります。

地球儀に懐中電灯を当てた場面を想像してください。球の表面には、光が当たる半球と当たらない半球があります。ある地点を表す小さな印を付け、地球儀を軸の周りで一回転させると、その印が明るい側にいる時間と暗い側にいる時間を分けて数えられます。軸を傾けたまま向きを変えて観察すれば、同じ印の明暗の割合が変わります。これは昼夜の長さを考えるための模型です。

北へ行くほど季節差が大きいのはなぜ?

日本でも沖縄と北海道では、季節による昼の長さの変わり方が同じではありません。赤道付近では一年を通じて昼夜の長さが比較的安定し、高緯度へ進むほど夏と冬の差が大きくなります。北極圏の一部では夏に太陽が沈まない白夜、冬に太陽が昇らない極夜も起こります。

北緯約35度の東京では、国立天文台が紹介した2021年の夏至の昼の長さは約14時間35分で、冬至よりおよそ5時間長くなります。これは東京の一例であって、全国どこでも同じ差になるわけではありません。札幌、東京、那覇のように緯度の異なる都市を選び、同じ年の夏至・冬至の日の出入り時刻を並べると、数字から傾向が見えてきます。

「日の出が最も早い日」と夏至は同じ?

昼の長さが最長になる日と、日の出が最も早い日、日の入りが最も遅い日は、一般には一致しません。地球の公転速度や、日時計で測る太陽時と私たちが使う平均的な時刻とのずれが関係しています。国立天文台も、東京付近で最も早い日の出は夏至より前、最も遅い日の入りは夏至より後になると説明しています。

例えば日没だけを毎日記録していると、「まだ日没が遅くなっているのに、夏至を過ぎてしまった」ということがあります。これは間違いではありません。昼の長さは日の入り時刻から日の出時刻を引いたものなので、二つの時刻が少しずつ変化していれば、日没が遅くなり続けても昼の合計が短くなり始める場合があります。何を測っている数字かを分けることが重要です。

時刻表から自分で確かめる方法

観測では自分で太陽を直視する必要はありません。国立天文台の「こよみ」などが示す日の出・日の入りの時刻を使い、同じ都市について春分、夏至、秋分、冬至付近の四日を表にします。日の入りから日の出を引き、分単位で昼の長さを求めてください。例えば日の出が5時00分、日の入りが18時30分なら、昼は13時間30分です。

次に、同じ日に緯度の違う二都市を比べます。このときタイムゾーンが同じでも、時刻の表示だけから長さを判断しないようにします。経度が違うと日の出入りの時計上の時刻が変わるからです。比べるのは昼の時間の合計です。春分と秋分でも、日の出の定義に大気による屈折などが含まれるため、昼が厳密に12時間とは限りません。模型での理想値と現実の時刻表を区別しましょう。

昼の長さと太陽の高さを別の表にする

同じ町の夏至と冬至を比べるとき、日の出・日の入りの時刻だけでなく、正午付近の太陽の高さも別欄にしてみましょう。例えば理科の授業で地面に垂直に立てた棒の影を測るなら、棒の高さが同じで、同じ水平な場所で、太陽が最も高くなるころに比較する必要があります。影が短いほど太陽が高いという関係は理解しやすい一方、測った時刻が違えば季節差だけを取り出せません。時計の正午と太陽が最も高い瞬間も完全には一致しないことがあります。

もう一つの問いは「北へ行けば必ず寒いのか」です。緯度は昼の長さと太陽光の入り方を決める大きな条件ですが、海流、標高、季節風、雲などが気温に影響します。同じ緯度でも海沿いと内陸では気候が違う場合があります。だから、昼の長さについての結論を、そのまま天気や生活のすべてへ広げないようにします。まず天文上の条件で何が説明できるかを確認し、説明しきれない部分を気象の条件として調べると、理由を混同せずに済みます。

南半球と比較すると原因を見抜きやすい

日本の夏至ごろにはオーストラリアなど南半球の地域では冬に向かい、日照時間が短くなります。同じ日に太陽と地球の距離はほぼ共通しているのに、季節の向きは反対です。この事実は「夏は太陽に近いから」という説明を確かめるよい反例です。ただし、赤道付近では昼の長さの季節差が小さいため、南北の違いも緯度と合わせて比べましょう。二つの半球から見た地球儀を描き、北半球が太陽側へ傾くとき南半球ではどうなるか、同時に矢印を書き入れます。地球の動きは一つなのに、見る場所で昼夜の長さが逆方向へ変化する点が、最も説明したい関係です。

季節が変わる理由を一つにしない

地球が夏に太陽へ近づくから暑くなるという説明を耳にすることがあります。しかし、北半球が夏のとき南半球では冬です。地球と太陽の距離だけが季節の主原因なら、同じ地球上の南北で反対の季節になることをうまく説明できません。軸の傾きが太陽光の入射角と昼の長さを変えることが中心です。

昼の長さを調べたら、次は太陽の高さを調べてみてください。同じ正午ごろでも、季節によって棒の影の長さが変わります。ただし、影の比較では棒の高さ、地面の傾き、時刻をそろえる必要があります。季節の説明は一つの数字で終わりません。「日の長さ」「太陽光の当たり方」「地面が熱をためる時間」を順に分けると、夜が短いのに最も暑い日が遅れる理由まで考えられるようになります。

参考資料

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