
3分実験:「忙しい」を一段だけ下ろしてみる
まずやってみる
相手がこう言いました。
「最近、忙しくて」
まず、
A
「そうなんですね」
次に、
B
「最近は何に一番時間を取られているんですか?」
比べてください。
Bでは、「忙しい」という言葉をそのまま受け取らず、もう一段具体的なところへ動かそうとしています。
1
「忙しい」とは、具体的には何が起きている状態でしょうか。
たとえば、
残業が増えた。
予定が重なった。
家の用事が増えた。
締め切りが続いている。
いろいろ考えられます。
2
つまり、「忙しい」だけでは、まだ中身がかなり広いことが分かります。
3
では、相手の事情を勝手に決めつけず、一段だけ具体的にする質問をもう一つ作ってみてください。
ここから種明かし
「忙しい」は便利な言葉です。
でも、その一語だけでは、何が増えたのか、いつ大変なのか、何に時間を使っているのか、まだ分かりません。
そこでBでは、「忙しい」を否定せず、
何に時間を取られている?
という、少し具体的な場所へ移しました。
「仕事が忙しいんですか?」と最初から原因を決める必要はありません。
仕事かもしれないし、家庭かもしれません。
具体化することと、決めつけることは別です。
ここまでの答えを見比べてみよう
| <見るところ> | <たとえば> |
|---|---|
| 元の表現 | 忙しい |
| 抽象度 | 高い |
| 具体化した方向 | 何に時間を取られているか |
| あり得る答え | 仕事/家の用事/予定/締め切りなど |
| 注意点 | 具体化と決めつけを混同しない |
コミュニケーションで見ると?
相手の発言が、「忙しい」「大変」「面白い」「楽しかった」のような抽象的な言葉のところで止まっている場合があります。
そんなときは、新しい話題を持ち出さなくても、同じ話題の解像度を一段上げるだけで会話が動くことがあります。
脳のOSで見ると?
具体⇄抽象変換
「忙しい」は、たくさんの具体的な出来事をまとめた言葉です。
今回やったのは、
忙しい
↓
何に時間を取られている?
↓
最近、締め切りが三つ重なっている
のように、抽象から具体へ下りていく操作です。
逆に、「残業が続く」「予定が多い」「やることが終わらない」という複数の出来事をまとめて「忙しい」と表現するなら、具体から抽象へ上がっています。
会話の中でも、抽象と具体のどこにいるかを見ると、次に何を聞くかが考えやすくなります。
もう一度だけ
次の一言を使います。
「あの映画、すごく面白かったです」
「面白かった」を否定せず、一段だけ具体的にする返しを作ってみてください。

