同じ時刻なのに見える星座が季節で変わるのはなぜ? 一日約4分のずれを追う

毎晩20時なのに星座が移動して見える

冬の夜に見つけた星座を、何か月か後の同じ20時に探すと、位置が変わっていたり、見えなかったりすることがあります。「星座は季節ごとに入れ替わる」と覚えてもよいのですが、なぜ入れ替わるのでしょうか。星が急に別の場所へ引っ越すわけではありません。地球が自転するだけでなく、太陽の周りを公転していることが理由です。

一晩の中で星座が東から西へ動くように見えるのは主に自転です。一方、毎日同じ時計時刻で比べたとき少しずつ位置が違うのは、公転によって太陽に対する地球の向きが日ごとに変わるからです。短時間で見える移動と、何週間もかけて変化する移動を区別すると説明しやすくなります。

24時間と約23時間56分の違い

日常の「一日」は平均的な太陽の位置を基準とする約24時間で扱います。しかし遠い星を基準にして地球が一回転する時間は、約23時間56分です。国立天文台の暦計算室は、太陽日と恒星日の差がおよそ4分であることを解説しています。

これは地球が一回転する間にも、太陽の周りを少し進んでいるためです。遠い星の方向に対して元へ戻っても、太陽を空の同じ方向に戻すには、さらにわずかな回転が必要になります。時計の24時間と、星が元の位置に見える周期とが完全に一致しないのはこのためです。「一日」という言葉の基準を変えると、長さも少し変わります。

一週間、一か月でどのくらいずれる?

毎日約4分ずつ星が早く同じ位置へ戻ってくると考えると、7日で約28分、30日で約120分、つまり2時間ほどになります。これは概算です。星座の位置を比べる練習としては十分ですが、厳密な観測では時刻の基準や年周の細かな条件も考える必要があります。

例えば今夜20時にある星座が南の空に見えたなら、約一か月後には同じ星座が18時ごろに同じ位置へ来る計算です。したがって一か月後の20時には、その星座は以前より西へ進んだ位置に見えるでしょう。季節の星座が変わるという現象は、毎日わずか4分のずれが積み重なった結果としても説明できます。

星座が消えたのではなく太陽の近くへ移る

一年の途中で見えなくなった星座は、宇宙から消えたわけではありません。その季節には地球から見て太陽と同じ方向に近くなり、昼の明るい空に隠れて見えない場合があります。半年ほど時期が変われば、夜の空に戻ってくる星座もあります。

また、星座が見えるかは地域によって違います。南半球の人には日本から見えにくい星座が見えたり、地平線に隠れて見えない星座があったりします。地球上の緯度が違えば見える空の範囲も変わるため、「冬の星座」という説明は観測地点を暗黙に含んでいる場合が多いのです。教科書の星図を見るときにも、日付、時刻、観測地を確認しましょう。

夜空の変化を安全に記録する

同じ場所で晴れた日の20時に一枚星図を作り、一週間後、二週間後と記録を比べます。スマートフォンの星図アプリを補助に使ってもよいですが、アプリが示す位置と実際の空の方向が合っているかは確かめてください。建物や木がある場所では、見えないのか、障害物で隠れているのかを分ける必要があります。

星座のずれを数分単位で確かめるには、一日の観察だけでは難しいことがあります。空の同じ場所を通過する時刻を、数日から数週間分の記録で比べる方が傾向が見えます。雲、街明かり、地平線の高さなどの観察条件も揃えると、自分のデータからどこまで言えるかがはっきりします。

約4分の差を一年分に伸ばすとどうなる?

毎日の約4分を365日分足すと、約1460分、つまり24時間20分になります。概算なので端数はずれますが、一年の間に「星に対する地球の回転」が太陽に対する回転よりおよそ一回分多くなることが見えてきます。実際の比を正確に扱うと、太陽に対する一年の約365.24回に対して、遠い基準に対してはおよそ366.24回の回転に相当します。これは地球が太陽の周りを一周することと対応します。

ただし「星の位置が一か月で2時間ずれる」という説明を、すべての星が同じ見え方で東西へ2時間移動すると受け取らないようにします。星は地球の回転軸からの見かけの距離によって描く円の大きさが異なり、北極星のようにほぼ同じ場所に見えるものもあります。星座が南中する時刻の差と、空で動いた角度や距離は別の数字です。観察する星と何を時刻で測ったかを書き分けてみましょう。

地球の公転を模式図に描いて比べる

ある星座が冬の夜には見えて夏には見えなくなったとき、「季節ごとに星が生まれたり消えたりする」と考える必要はありません。地球が太陽の周りの別の位置に移動したため、夜の地球から向く宇宙の方向が変わるのです。地球の軌道を円で描き、その円の外側に変わらない星座の方向をいくつか置いてみてください。地球の反対側にいる半年後の位置から太陽を見たとき、夜に見える向きが反対に変わることが分かります。ただしこれは方向を理解するための模式図で、実際の星座までの距離が円のすぐ外側にあることを示す縮尺図ではありません。

時計と星の動きをつなげる

「約4分」は小さく聞こえますが、30回積み重ねると約2時間です。短い差を積み上げて説明する方法は、時計の誤差や学習時間の計算などにも使えます。ただし星座が毎日正確に4分だけ一斉に移動するという単純な実測値ではなく、平均的な地球の運動から考える近似です。

同じ星座を昨日より早い時刻に見つけたときは、まず時刻を記録し、その星座が南中した頃を比べてみましょう。地球の自転と公転を別々の動きとして考え、最後に重ね合わせると、「毎晩ほぼ同じ空なのに季節で変わる」という不思議が、二つの周期の差として理解できます。

参考資料

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